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《ブラジル》人文研調査=全伯で日本祭り88、盆踊り138=「会館拠点に日本精神発信」=地域社会で親日感情を醸成

3/21(木) 5:39配信

ニッケイ新聞

【既報関連】「日系社会が消滅するという言説があるが、日本精神の灯は守られている。世界も伯国も変容する中で日系社会も変化し続けるが、決して消滅することはないと信ずる」――サンパウロ人文科学研究所が実施した「日系社会実態調査」の第二回報告会(ポ語のみ)が14日に県連会議室で催され、宇都宮スエリさんはこう総括した。全伯で「日本祭り」的イベントは88、盆踊りは138もあることが分かり、日系団体が地域社会から高い評価をえて影響力を及ぼしている様子が浮かび上がった。

 昨年11月にジャパンハウスで開催された第1回報告会は日本語中心だったが、今回はポ語中心でより分析が進んだ内容が発表された。

 全伯各地の文化体育協会436団体が対象となったこの調査で、約2千人以上を動員する日系団体主催の「日本祭り」的イベントだけで、全伯では88件に上ることが分かった。うち市の公式行事に認定されているのが約3割。会場の多くは日系団体の会館だ。宇都宮さんは「地方では会館は地域住民全体にとって、唯一の娯楽イベントの場所となっていることが多い」と分析する。

 なお、全伯で開催される盆踊りだけで138件もあり、地域の非日系人も参加する場合が多い。

 イベントが日系団体の存在感につながっていることを裏付けるデータとして、1328人の非日系人に対する街頭調査結果を公表。「居住する町に日系社会があるか」との質問に75%が「はい」と回答。「日系イベントに参加する、もしくは参加した経験があるか」との質問に対しても、同等の「はい」が75%を占めた。日系社会の印象については、99・4%が好意的で、「日本食が好きか」との質問には「はい」との回答が8割に上った。

 「市や近隣の人から、日系社会ならではという賞賛を受けたことがありますか」との問いに、93%の日系人が「はい」と回答。全伯各地の会館によるイベント等を通じ、親日感情の醸成に寄与してきたことが浮き彫りとなった。

 今調査の結果報告書は完成したら、人文研サイト(https://www.cenb.org.br/)で公表される。調査対象となった団体を地図上で示し、ポイントすると基礎情報が表示される「日系社会マップ」(http://nw.org.br/sistema/ctr_APIGoogleMaps_filtro/)は、すでに公開中。収集した情報はデータバンクとして保存され、各種データ抽出の依頼も受けている。問合せは人文研(pesquisanikkei@gmail.com)まで。

 最後に、宇都宮さんは「会館は日本精神の発信拠点。それを保つことができたのもブラジルが多文化に寛大であるがゆえ。日系、非日系人を問わず、日本の価値観が賞賛されている」と締め括った。

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最終更新:3/21(木) 5:39
ニッケイ新聞

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