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ピエール瀧容疑者の出演作品自粛は過剰なのか?企業側の曖昧な判断基準

3/21(木) 13:00配信

THE PAGE

 ピエール瀧容疑者の逮捕で、彼の出演作や楽曲の販売を自粛する動きが広がっていますが、一部から過剰反応であると反対する声も上がっています。違法薬物の容疑がかけられた人の作品はどう扱うべきなのでしょうか。

 コカインを使用したとして、ミュージシャンで俳優のピエール瀧容疑者が逮捕されたことから、瀧容疑者が所属する音楽ユニット「電気グルーヴ」のCDなどを販売しているソニー・ミュージックレーベルズは商品の回収を行うと発表しました。このほかNHKも瀧容疑者が出演した過去の作品の配信を停止するなど自粛の動きが広がっています。

 こうした動きに対しては、一部から過剰反応ではないかと批判の声も上がっていますが、世論の反応は二つに割れているようです。最近はネット上で激しく批判されることを企業側が警戒しているので、とにかく騒がれないうちに自粛してしまおうという傾向が顕著ですが、その基準はかなり曖昧です。

 今回、瀧容疑者は逮捕・送検されただけですので、推定無罪の原則からすると、責任を追及できる状態ではありません。もっとも、捜査当局からの情報では本人は罪を認めているということですから、限りなく有罪に近いと考えられますが、刑が確定するまでは推定無罪というのが民主国家の原理原則です。

 対象となる人物をどこまで広げるのかという点においても判断基準はバラバラです。過去に違法薬物で逮捕された芸能人は多く、すべてを自粛対象にしてしまったら、テレビに出演できる人が大幅に減ってしまいます。ドラッグに関連した作品は問答無用でダメということになると、ビートルズも聴けなくなってしまうでしょう(ビートルズのポール・マッカートニー氏は来日時に大麻所持で逮捕されていますし、ビートルズの有名な楽曲の中にも、ドラッグを連想させるものがあることはよく知られています。ビートルズの楽曲は教科書にも載っていますから、本来であれば影響は甚大です)。

 過去ならばよいということであれば、いつまでならダメなのかという部分をはっきりさせないと、かなり恣意的な運用になってしまうでしょう。

 性犯罪で逮捕された新井浩文容疑者の場合には、直接的な被害者がいるという理由から自粛について同意できる人は多いと思いますが、ドラッグの場合は、売人でない限り、個人的な犯罪ということになり、社会に対する責任をどう判断するのかは難しくなってきます。

 いずれにせよ雰囲気で、自粛したりしなかったりというやり方には問題がありますから、業界として何らかのガイドラインが必要かもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/21(木) 13:00
THE PAGE

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