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【特集】「何があってもイエス。前向いてしか行けん」 99歳の空手師範の生き様と夢

3/21(木) 14:30配信

KSB瀬戸内海放送

 今年2月、99歳になったばかりの空手の師範がいます。師範が営む高松市の道場は、昼過ぎから明け方まで出入り自由。稽古の内容も自由。そして、道場に隣接する部屋では食事や酒盛りもOK、と一風変わっています。

稽古時間も内容も自由。「押忍」もなし

(八匠館/猪熊佳孝先生)
「人生っていうのはね、自分を探す旅やから、一生かかってね。自分なりの人生を送ることそのものが人生やからね。人の真似する必要もないしね」

 空手道場「八匠館」の猪熊佳孝先生は首里派空手の8段。2月25日に99歳を迎えました。

 道場は、火曜日と土曜日の週2日で午後1時から。長い時には翌日の朝方まで開いています。その間、練習時間や内容は基本的に自由。「押忍」もありません。好きな時に来て好きな時に帰り、好きなことを好きなだけ練習します。

「直すときはあんまりないんですよ。しているうちに上手になっていっているからね。その人の何もかも変えるわけにはいかん。変える必要ないからね。むしろ、みんなそれぞれええところを、うちに持ってくるからね。私の方が勉強になりよるね」

師範として65年間、道場に立ち続ける

「八匠館」は1949年に猪熊さんの父親が設立しました。4年後に跡を継ぎ、約65年間、師範として道場に立ち続けています。

(猪熊佳孝先生)
Q. やめようと思ったことは
「しょっちゅうあったね。今もやめたいね。ノーが言えんのです。この世は。何があってもイエス。前向いてしか行けん。バックギアがないんです」

「毎日毎日、道場がない日でも、自分が蹴りや突きをだいたい20分くらい動かしますね。100歳という年代になって動かさなくなったら、すぐ止まるで、エンジンが。エンジンはいつもかけとるような感じやね」

21歳で中国へ出兵、帰国後は職を転々

稽古場の隣には談話室のような部屋が。

Q. 今から何か作られるんですか
「お好み焼きをするんや。練習終わってから食べます」

練習の後にちょっとした料理を振る舞うのがお決まりです。

Q. 猪熊先生はどんな方ですか?
道場生「優しいです」
道場生「物事をよく知っているなって尊敬できますね。優しいです」
猪熊先生「私は女の人には優しいんでね。男はあんまり好きじゃないけどね」

 猪熊先生は12歳で実家の鍛冶業を手伝い始めました。その後、第二次世界大戦中に21歳で中国へ出兵。翌年に帰国してからは船の荷役や左官など職を転々としました。

Q.(お好み焼きの)出来栄えはいかがですか
猪熊先生「どんなん?おいしげなの。食べてみて」
道場生「おいしい」
Q. こういう風にみんなで作るというのは?
猪熊先生「大した物じゃないけどね、食べ物を一緒に食べると人間の輪が深くなりますね」

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最終更新:3/21(木) 14:30
KSB瀬戸内海放送

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