ここから本文です

“スター”に育てられたが、”過ち”は知らない

3/21(木) 13:05配信

ハンギョレ新聞

V.I、チョン・ジュニョン事態に見た“中身のないスター作り” 
 
練習の年齢低くなるにもかかわらず 
家庭や学校に代わって行う基本素養教育 
外部の講師に任せるか、ない事務所も 
挨拶や団体チャットルームの管理などに焦点 
ほとんどは事故防止、議論避ける方法の教育にとどまる 
 
ジェンダーに対する感受性や人権教育が欠如 
デビュー後はスター扱いで“特権意識”を助長 
「快楽に忠実」過ちに気づかないことも
 「いったい事務所はどんな教育をしたのか…」

 ビックバンのメンバーV.Iと歌手のチョン・ジュニョンが関わった性犯罪事件が起きたことで、芸能プロダクションの責任論が浮き彫りになっている。幼い年から練習生として訓練を受けた場合、一日の大半を所属事務所で過ごすため、事務所が家庭や学校に代わって教育的な役割も担当しなければならないが、人権意識やジェンダーに対する感受性を育むプログラムはほとんどない。いわゆる“人間性教育”をする事務所のカリキュラムも、大衆に後ろ指を指されないための“礼儀作法”教育に近い。

 ハンギョレが最近、YGエンターテインメントなど大手芸能事務所を含め、10カ所の教育の実態を調べたところ、練習生に人間性教育を行うところは7カ所だった。Kポップの人気が高まり、芸能人の一挙手一投足が関心の対象になったため、2010年頃からダンスや歌の練習のほかに人間性教育も始まったと、関係者たちは言う。韓国コンテンツ振興院も約10年前から全ての企画会社の青少年練習生たちを対象に、基礎素養教育を行っている。性問題やマスコミとのインタビューの対処法など、18項目のカリキュラムを事務所に送り、選ばれた項目について出張講義をしている。

 しかし、練習生たちが受ける品性教育の内容は、主に大衆の心理に逆らわない方法に集中されている。「機敏な時期なので、具体的な教育内容は明らかにできない」と、事務所側は言及を控えたが、主に「エチケットとマナー」を強調する内容が多いという。K芸能事務所は「きちんとあいさつができるなどの礼儀作法やファンへの応対法、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)活用法など、芸能人が議論に巻き込まれないように注意することに焦点を置いている」と話した。同僚の芸能人が事故を起こせば、根本的な問題点を指摘するよりは、日常生活を厳しく監視するなど、抑圧的な内容が加わる。同事務所の関係者は「最近、チョン・ジュニョンやV.Iをめぐる議論を受け、酒の席にはできるだけ行かないよう注意し、団体チャットルームの管理をどうすべきかなどを教育した」と話した。カカオトークの代わりにテレグラムを使うよう教えている事務所もある。

 このような“実用教育”のなかで人権意識を育むプログラムはほとんど見当たらない。ジェンダー問題がさらに重要になった時代だが、芸能事務所はむしろ「フェミニズムとジェンダーという言葉に言及すると、議論になるから、絶対何も言わないように教えている」(D芸能事務所)。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「チョン・ジュニョンの団体チャットルームの人たちが、違法に撮影された動画を回覧し、女性を蔑むような言動をするのが間違っていることすら知らなかったことに衝撃を受けた。時代が変わり、人々の認識が変わったにもかかわらず、これに相応しいジェンダーに対する感受性と人権意識に関する教育が全く行われていないのが問題」だと指摘した。

 練習生を“卒業”してデビューした後は、むしろ教育の必要性が増すという意見もある。「デビューしてから人気を集めると、さらに誘惑が多くなる」(L芸能事務所)だ。デビューが決まると、会社から車が支給され、コーディネーター、ヘア・メイク担当など新人一人当たり数人のスタッフがついてスター扱いをする。L芸能事務所の関係者は「企画会社同士がプライドをかけて競争しているため、新人にもできるだけ多くのスタッフを付けて誇示的な行動をするが、結局芸能人が特権意識にとらわれる」と話した。こうした特権意識はチョン・ジュニョンやV.Iのように人気とカネに頼って女性を対象化し、嘲弄と嫌悪を浴びせる行動につながるだけではなく、違法にも無感覚になる原因となる。大衆的な影響力の大きい芸能人ほど、よりきめ細かい教育を受けなければならないのも、そのためだ。評論家のチョン・ドクヒョン氏は「V.Iのように10代後半に芸能業界入りし、キャリアを積んだ人ならば、ビジネスの世界でやり取りするような快楽に忠実であるだけで、きちんとした教育を受ける機会がなかっただろう」と指摘した。

ナム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:3/22(金) 2:13
ハンギョレ新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事