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最終日に日本勢が躍動 中島康晴がポイント賞、増田成幸がアジアンリーダー獲得

3/22(金) 6:00配信

Cyclist

 UCIアジアツアー2.1クラス、ツール・ド・台湾は3月21日に大会最終日を迎え、192.8kmで争われた第5ステージで、日本勢が猛攻を見せた。個人総合で増田成幸(日本ナショナルチーム)が順位をジャンプアップさせ8位でフィニッシュ。アジア人ライダーでトップとなり、アジアンリーダージャージを逆転で獲得した。さらに、第3ステージ以降ポイント賞首位に位置した中島康晴(キナンサイクリングチーム)はその座を守り切り、グリーンジャージを確定。また吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)もステージ3位となるなど、大会を通じて目立つことの多かった日本人選手たちがしっかりと形を残した。

南シナ海を望む最終ステージ
 今月17日から始まった戦いは、台湾を北から南に向かって進んだ。そして、いよいよ同国南部の屏東県へ。最終目的地は、大鵬湾を囲う周回コース。スタート後、レース中盤は南シナ海を見ながら往復。そして、大鵬湾のサーキットを4周してフィナーレとなる。全行程おおむね平坦で、ステージ優勝争いはスプリンターが中心になることが予想される。そして、フィニッシュを迎えた瞬間、それまで激しい争いとなった総合争いにも終止符が打たれる。

 日本勢では第4ステージまでを終えた時点で、中島がポイント賞争いで首位に立っており、この最終ステージもグリーンジャージのキープを目指す。個人総合では、増田成幸(日本ナショナルチーム)の16位が最上位。とはいえ、20位の伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、22位の小石祐馬(日本ナショナルチーム)を含め、首位との総合タイム差は16秒。1つのチャンスで逆転可能な位置につける。
 緊張感漂うなか、今大会最長の192.8kmのステージの火蓋が切られた。
各チームの思惑が交錯したレース前半戦
 レースはスタート直後からアタックと集団による吸収との繰り返し。たびたび日本勢が逃げを狙って飛び出すが、総合上位進出の可能性を持つ選手たちが追随するなど、思惑が一致せず集団へと引き戻されてしまう。

 そんな状況が続いて迎えた60km過ぎ、集団で規模の大きなクラッシュが発生。大久保陣(キナンサイクリングチーム)が頭部を負傷しレースを離脱したほか、期待の伊藤も巻き込まれる。すぐにレースに復帰したものの、激しい展開が長時間続いた。
 ようやく均衡が破られたのは、スタートから70kmほど進んだタイミング。8人の逃げが決まり、この中に小石がジョイン。アジアンリーダーとしてスタートしたフェン・チュンカイ(チャイニーズタイペイ、チャイニーズタイペイナショナルチーム)も加わり、逃げの姿勢を整えていく。
 ところがこの直後、逃げグループにハプニングが発生。直進するはずのルートを誤って右折しコースを逸脱してしまう。しばらくそのまま進行してしまったことにより、レースが一時ストップ。逃げグループを正規ルートに戻したうえで、メイン集団との数十秒差を維持したまま再スタートが切られた。
 以降はリーダーチームのフロイドズプロサイクリングを中心にメイン集団のコントロールが図られ、レースは落ち着きを見せる。逃げグループに入っていたフェンと小石が集団へと戻ったこともあり、スタート直後からの慌ただしかったムードは完全に払拭された。
増田がボーナスタイム1秒獲得で総合ジャンプアップに成功
 集団のペースメイクによって、逃げは大鵬湾沿いの周回コースへ入るタイミングで吸収。代わって1人がアタックし、独走態勢となるが、これもフロイドズプロサイクリングを中心に1人逃げを射程圏内にとらえたまま進む。
 淡々と進んできたレースに変化が生まれたのは、サーキット2周目。この周回に設定された中間スプリントポイントをめがけて、スプリンターと総合系ライダーが入り乱れての混戦に。有力チームがトレインを組んで、フィニッシュさながらのスプリントへと発展した。

 この流れの中で力を発揮したのが日本ナショナルチーム。この中間スプリントは上位通過ならなかったものの、同様に設定された3周目で再びトライを見せ、徐々に集団内でのポジションを上げて加速のタイミングを図る。そしてエースの増田を発射。これに応えた増田は3位通過を果たし、スプリントボーナス1秒を獲得。総合ジャンプアップの可能性をつかんだ。
 そしてレースはいよいよフィニッシュを迎える。総合系ライダーに中間スプリントを譲ったスピードマンたちにとってはようやくめぐってきた出番。ラスト200mは左にコーナーを切りながらの変則レイアウト。激しい位置取り争いから、ここを真っ先に攻略したのはジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)だった。
 ロナルディに追随するような形でフィニッシュへなだれ込んだのが、チームメートの吉田。さらに、ポイント賞首位の中島も7位となり、9点を加算して同賞のグリーンジャージを確定させた。

 大鵬湾沿いの周回コースに設定された中間スプリントポイントの結果などから、個人総合は細かに変動。ボーナスタイムを獲得した増田が8位と順位を上げ、前日までのアジアンリーダーだったフェンを逆転することに成功した。

 今大会を通じ、日本人ライダーは合計42点のUCIポイントを獲得。個人総合17位になった伊藤、同21位の小石もUCIポイント獲得圏内(1クラスは25位以内)でフィニッシュを果たした。
 なお、個人総合優勝はジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング)、山岳賞にはウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナ・ポストボン)、チーム総合にはNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが輝き、5日間の戦いが閉幕した。
ツール・ド・台湾 第5ステージ(192.8km)結果
1 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 4時間26分20秒
2 エリック・ヤング(アメリカ、エレベート・KHSプロサイクリング) +0秒
3 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
4 モハマド・アッブドゥルハリル(マレーシア、チーム サプラサイクリング)
5 トラヴィス・マッケイブ(アメリカ、フロイドズプロサイクリング)
6 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)
7 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
20 伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
25 大前翔(日本ナショナルチーム)
55 増田成幸(日本ナショナルチーム)
56 小石祐馬(日本ナショナルチーム)
85 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +11秒
88 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +19秒
101 入部正太朗(日本ナショナルチーム) +3分21秒
102 窪木一茂(日本ナショナルチーム) +7分19秒
DNF 大久保陣(キナンサイクリングチーム)

個人総合
1 ジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング) 16時間44分14秒
2 ジェームス・ピッコリ(カナダ、エレベート・KHSプロサイクリング) +6秒
3 エティエンヌ・ファンエムペル(オランダ、ネーリソットーリ・セッレイタリア・KTM) +10秒
4 ネイサン・アール(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー) +12秒
5 ディエゴ・オチョア(コロンビア、マンサナ・ポストボン) +13秒
6 ガイ・ニーブ(イスラエル、イスラエルサイクリングアカデミー) +14秒
8 増田成幸(日本ナショナルチーム) +15秒
17 伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +16秒
21 小石祐馬(日本ナショナルチーム)
33 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3分47秒
51 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +14分3秒
64 大前翔(日本ナショナルチーム) +20分46秒
65 中島康晴(キナンサイクリングチーム) +23分44秒
67 入部正太朗(日本ナショナルチーム) +29分1秒
92 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +42分8秒
95 窪木一茂(日本ナショナルチーム) +43分3秒

ポイント賞
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 43pts
2 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 36pts
3 トラヴィス・マッケイブ(アメリカ、フロイドズプロサイクリング) 32pts

山岳賞
1 ウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナ・ポストボン) 37pts
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) 34pts
3 入部正太朗(日本ナショナルチーム) 21pts

チーム総合
1 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ 50時間13 分30秒
2 マンサナ・ポストボン +0秒
3 キナンサイクリングチーム
11 日本ナショナルチーム +14分22秒

最終更新:3/22(金) 6:00
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