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ネット恒例「オタク川柳大賞」から見えたオタク社会 平成最後に主催とともに振り返る

3/22(金) 17:05配信

ねとらぼ

 「アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く」「パソ消して 消える美少女 映るデブ」「デュフフコポォ オウフドプフォ フォカヌポウ」――例年受賞作が発表されるたび、オタクの境遇をユーモラスに表現した句にネットで笑いと称賛が起こる「あなたが選ぶ オタク川柳大賞」。3月22日に第14回の受賞作が発表されました。大賞は「細胞は はたらいてるが 俺無職」……人気漫画のタイトルをもじりながらの自虐っぷり、まさにオタク川柳らしい一句です。

【画像】オタク川柳大賞の第1回の様子

 オタク川柳大賞は開催14年目と、長寿イベントの域に達しつつあります。しかし10代~30代のネットユーザーの中にはオタク川柳大賞の名前は知っていても、主催が「インターリンク」というインターネットサービスプロバイダー(ISP)企業であるのを知らない人は多いかもしれません。

 なぜインターネット接続事業者がオタクをテーマにした川柳アワードを14年も続けているのか。また平成が終わる今、オタク川柳大賞を開催しながら見えたオタク社会、ネット社会の変遷はあったのか。インターリンク(東京・東池袋)に取材しました。

池袋乙女ロードに面していたので

 オタク川柳大賞がスタートしたのは2005年。1995年開業のインターリンクが創立10周年を記念して開催しましたが、当初は「あなたが選ぶ IT川柳」という名前でした。IT関連の言葉を入れた川柳(五・七・五)を募集し、インターリンクが厳選したノミネート作品から一般投票で受賞作を決めるというものです。

 第1回の大賞は「人生も 戻るボタンが 欲しい父」(作:楽天家)。他の受賞作も「妻が来た 閉じたいサイト フリーズし」(海光)、「ブラウザは どこの星座と 聞く夫」(のり)と、一般家庭にブロードバンドが普及したもののインターネットに不慣れな人が多い、そんな時代を思わせる句が目立ちます。「当時は14年も続く長寿イベントになるとは考えもしませんでした」(インターリンク担当者)

 しかし2008年の第4回開催で、名称を「オタク川柳大賞」に変更。お題もIT全般ではなくオタク全般に広げます。

 「インターリンク本社は“腐女子のメッカ”と呼ばれる『池袋乙女ロード』の目の前にあり、オタク(玄人)に支持をいただいている、上級者向けのインターネットサービスプロバイダーでした。ITだけにこだわらないコアな川柳を募集したく、オタク川柳と名前を変えました」

 この「オタク川柳」の誕生は国内最大のニュースポータル「Yahoo!ニュース」のトピックスに掲載されるなど大きく話題に。第4回の大賞は「聞いてない 誰もそこまで 聞いてない」(Vmax/30代)で、応募作品数は6974句と前回の約2倍に、第5回では1万5887句も集まるなどさらなる盛り上がりを見せていきます。

 第7回の年(2011年)には第4~6回の入賞作や各著名人の作品を収めた書籍『オタク川柳~―人はみな何かしらかのオタクです~』が学研パブリッシングより出版。増刷されるなど大反響となりました。

 「大手企業の方からコラボのお話をいただいたなど、名称を変えたことで大きな反応をいただいたのは今でも強く印象に残っています。また、第9回のネ申(グランプリ※)を受賞した『アニメ観て 泣く俺を見て 母が泣く』の作者である、れおにだす様がご自宅でテレビの取材を受け、その様子が朝の情報番組で放映されたことは、忘れられません」

※同アワードでは大賞を第4回から「神」、第8回から「ネ申」と表記している。

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最終更新:3/22(金) 18:55
ねとらぼ

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