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食後に感じる胸やけは「逆流性食道炎」かも

3/22(金) 12:20配信

Medical Note

食後に起きる胸やけで最近あまり食べられなくなった――。自分や周りにそんな症状がある人はいませんか? 胸やけが起きる病気の1つに「逆流性食道炎」があります。逆流性食道炎は、最近着目されてきた消化管の病気で、何らかの原因で食道の粘膜がただれるなどし、胸やけなどの症状が出ます。「たかが胸やけ」と思うかもしれませんが、逆流性食道炎は生活の質(QOL)の大幅な低下を引き起こしたりがんに移行したりすることもあるため、治療が必要な病気なのです。【横浜市立大学医学部医学教育学主任教授・稲森正彦/メディカルノートNEWS&JOURNAL】

◇「脂っこい食事の後に胸やけがします」

「以前は何でもおいしく食べられていたのですが、最近は年のせいか脂っこいもの、焼肉やてんぷらなんかを食べると胸やけがするので、あまり食べられなくなりました」。60代の男性患者さんはそう話しました。食べ歩きが趣味だったという、かっぷくのよいこの患者さんは「症状が出るようになってから食べることを楽しめなくなった」といい、QOLが大きく低下してしまいました。

内視鏡検査を行ったところ、胃と食道のつなぎ目のところに1cmほどの縦に走る赤い傷があり、逆流性食道炎と診断しました。

◇中高年の男性や高齢女性、先進国に多い病気

逆流性食道炎は、最近20年くらいで概念が確立した食道の病気の1つで、食道の粘膜にただれや傷ができるものを指します。似た病気として、胃食道逆流症(Gastro-Esophageal Reflux Disease:GERD<ガード>)があります。これは自覚症状や粘膜のただれなどの有無にかかわらず胃から食道へ胃酸が逆流する病気の総称で、より広い概念を表します。

逆流性食道炎が起きやすいのは中高年の男性、高齢女性です。また、途上国より先進国に多い病気とされています。

◇欧米風の食生活が原因、生活習慣も影響

日本では、逆流性食道炎と診断される人が増え続けています。その理由として、高カロリー、高脂肪の食事といった食生活の欧米化の関与が考えられます。他にも、アルコール、コーヒー、チョコレート、スパイス、かんきつ類、炭酸飲料、ミントなどが症状を悪化させるのではないかと疑われています。

これらの食事は胃酸分泌を増加させます。実際に胃酸分泌自体を測定した研究でも日本人の胃酸を分泌する能力は高まる傾向にあることが示されました。

また、夜遅い食事や、喫煙、肥満、前かがみの姿勢などの生活習慣も胃酸分泌・逆流の増加につながると考えられています。

以上のような患者さん本人の生活のほかに、外的要因として、内視鏡の進歩と検査の普及により逆流性食道炎が発見されやすくなったこと、医療者だけでなく一般の人にも広くこの病気が知られるようになって病気に気づきやすくなったことも、患者数増加の一因といえるでしょう。

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最終更新:3/22(金) 12:20
Medical Note

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