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世界最長の多関節ロボットアームの保持性能を確認 構造物点検のほか廃炉作業への応用も期待

3/22(金) 11:59配信

サイエンスポータル

 全長が10メートルあるロボットアームを開発して10キログラムの物体を水平方向にしっかりと保持できることを確認した、と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京工業大学の研究グループがこのほど発表した。多関節のロボットアームとしては世界最長。老朽化した橋梁やトンネルといった大きな構造物の点検作業のほか、原発の廃炉作業への応用も期待できるという。

 現在、高度経済成長期につくられた橋梁やトンネルなど、多くの大規模構造物の老朽化が進んでおり、安全確保のための点検作業が重要課題になっている。作業の現場には人間による作業が難しいところも多く、ロボットアームをはじめとする各種のロボットの活用が期待されている。

 研究グループによると、長いロボットアームが重い物を保持することは、アームに「テコの原理」が働くために開発は難しかった。このため研究グループは、複数の高強度化学繊維でできたロープをアームの関節部分にある滑車に巻きかけて荷重を分散して支える仕組みを考案。さらに、アームそのものを軽量化し、アームの中に太いロープを1本通すなどして先端の重量物を水平方向に保持できるよう工夫した。実証実験では10キログラムの物を保持できることを確認できた。今後、水平方向の保持だけでなく、重い物を持ち上げたり運ぶこともできるよう改良するという。

 研究グループによると、開発したロボットアームは直径20センチで細いために狭い空間にもアームを曲げて挿入できる。このためアームの先端にカメラを装着するなどして、東京電力福島第1原発を含めた原発の廃炉作業に使える可能性がある。実際に使えるかどうか、日本原子力研究開発機構・楢葉遠隔技術開発センター(福島県双葉郡楢葉町)で検証するという。

最終更新:3/22(金) 11:59
サイエンスポータル

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