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北陸軽金属工業、砂型3Dプリンター新設。アルミ鋳造の砂型制作、コスト・制作日数減

3/22(金) 6:06配信

鉄鋼新聞

 北陸軽金属工業(本社・東京都板橋区蓮沼町、社長・佐々木毅氏)が埼玉工場(埼玉県大里郡寄居町)に導入を進めていた最新鋭砂型3Dプリンターの設置が完了し、このほど稼働を開始した。設備投資額は約1億7千万円。砂型制作の日数削減とコスト低減につなげるほか、部品形状の自由度を高めて顧客の試作品、開発品需要に対応する。また新設備を活用して、中小ロットの量産品の受注も目指していく。

 砂型3DプリンターはCADデータから直接鋳造用の砂型を造形する装置のこと。従来のアルミ鋳造では木型を製作し、手込めによって砂型を造り出す必要があったが、砂型3Dプリンターを活用することで工期の大幅短縮や複雑部品も製造可能とされている。
 北陸軽金属工業が新設した砂型3Dプリンターは、ExOne社の新型機「S-MAX」。造形BOX(ジョブボックス)サイズはL1800×W1000×H700ミリで、造形スピードが1時間当たり33・3ミリ、積層ピッチは0・28ミリ。2つのジョブボックスがセットされており、一方のジョブボックスが稼働している間にもう一方の段取り作業ができるため高い生産効率を実現している。
 北陸軽金属工業は協力会社と連携して2010年に砂型鋳造事業をスタートし、12年にはExOne社の「S-15」を導入して自社生産を開始。その後、安定した受注実績を積んでいたが、導入から7年が経過し、さらなる販路拡大と生産性向上を目的として新設備の導入を決めた。新鋭機は昨年末に到着し、今年1月末に設置と調整を終えた。新設備は従来設備に比べて対応できるサイズ約1・6倍に大型化しているだけでなく、約2・4倍の造形スピードと2ジョブボックス化によって生産性が飛躍的に向上している。今後は新設備を主力機とし、従来設備をバックアップ機として、顧客対応力を引き上げていく方針。
 アルミ鋳造の試作品需要をめぐっては、主にEVやPHEVなどの自動車分野において部品の複雑化や大型化が進んでいる。北陸軽金属工業はより複雑化する部品開発に砂型3Dプリンターを活用していくほか、「木型では難しい部分は3Dプリンターを活用し、その周りは木型作るなどの融合も進める」(佐々木社長)方針。またジョブBOXの大型化によって「大型部品対応はもちろん、小さい部品を一度に複数製造することもできる」(同)とし、月間50~100台程度の少中量ロットの量産品への受注活動も強めていく考え。
 北陸軽金属工業は1946年に北陸軽合金として設立したアルミ鋳造メーカーで埼玉とタイ・アユタヤに工場を持つ。アルミ鋳造の試作品に特化しており、二輪・四輪自動車メーカーや産業機器メーカーの技術開発部門を顧客に持つ。昨今は次世代の鋳造工場を目指し、埼玉工場の鋳造棟に設備投資を実行中。これまでの試作需要だけでなく、少中量ロットの量産品にも力を入れる方針を示している。

最終更新:3/22(金) 6:06
鉄鋼新聞

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