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日産・ルノー・三菱が3社の司令塔組織設立。しかし結局元の状態に戻っただけ?

3/22(金) 11:41配信

THE PAGE

 日産自動車と仏ルノー、三菱自動車が3社連合の司令塔となる新組織「アライアンスオペレーティングボード(以下、アライアンスボード)」を設立すると発表しました。何やらたいそうな名前ですが、これはどのような組織なのでしょうか。

【中継録画】日産・ルノー・三菱自 3社トップが共同会見

 カルロス・ゴーン前会長が逮捕されたことで、3社連合をどう取りまとめるのか未定という状況が続いてきましたが、3月12日、3社のトップが記者会見に臨み、新しい意思決定機関の設立を発表しました。

 アライアンスボードは、3社のオペレーションやガバナンスを監督する唯一の機関として位置付けられており、ルノーのジャンドミニク・スナール会長とティエリー・ボロレCEO、日産の西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)、三菱自の益子修会長CEOの4名で構成されます。会合は毎月、パリもしくは東京で行われ、会合の議長はスナール会長が務める予定となっています。

 これまで3社連合はゴーン前会長の強いリーダーシップで経営が行われてきましたが、今回のアライアンスボードの設立によって、基本的に3社の戦略は話し合いで決められることになります。ゴーン氏が主導権を握る以前は、話し合いによって決められていましたから、結局は元の状態に戻ったと考えてよいでしょう。

 しかしながら、今回のアライアンスボード設立では重要な部分がすべて先送りされてしまいました。記者会見では今後の資本構成について質問が殺到しましたが、アライアンスボードは資本構成について議論する場ではないとして、3社トップは資本構成に関する質問には一切、答えませんでした。資本構成というのはコーポレートガバナンスのもっとも基礎となる部分ですが、これについて議論をしないということになると「ガバナンスを監督する」というアライアンスボードの趣旨とはかけ離れた印象となります。

 フランス政府はルノー主導の企業統合を望んでいますが、日産は今の状態で経営統合が進むと日産経営陣にとって不利になることから、経営統合には消極的です。こうした利害の対立を調整できなかったことから、玉虫色の決着に落ち着いたと考えられます。

 しかしながら、自動車業界は100年に一度という変革期を迎えており、上位企業へのシェア寡占化が急ピッチで進んでいます。ルノーと日産の企業統合が進まずバラバラの状態では、ただの中堅企業に過ぎず、トヨタやGMといった巨大企業に対抗するのは不可能というのが市場の一致した見方です。

 かつて日本のメガバンクは、出身行をめぐる派閥争いで何も決められないという時期が長く続き、その間に国際的な競争力を大きく落としました。ルノーと日産に残された時間はあまり多くないというのが現実でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/22(金) 11:41
THE PAGE

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