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女性は育児向きという“母性神話”、それって男も女も生きづらくしませんか?

3/22(金) 19:50配信

LIMO

「女性には子どもを産み育てる資質が備わっている」「やっぱり子どもはお母さんが好き」「父親よりも母親の方が育児に向いている」。出産を経て子育てをしていると、こうした“母親礼賛”な言葉にたびたび遭遇します。そして筆者は、こうした言葉に大きな疑問を持っています。

その理由をお話します。

母親は母性があるから努力せずに子育てできる?

「赤ちゃんは母親のことが好きだから、母親に抱っこされれば自動的に泣き止む」と思っている人、特に男性は多いでしょう。そして上記で想像されるのはおそらく、無償の愛を注ぎながら穏やかな表情を浮かべる母親に抱っこされ、スヤスヤと眠る赤ちゃんのイメージ画像のような状態。

果たしてなぜ、赤ちゃんは母親に抱っこされれば泣き止むのでしょうか。筆者の子どももそうでしたが、まだ人見知りも始まっていない時期の赤ちゃんは、自分の心地の良い抱かれ方をされれば誰が抱っこしても泣き止むことが多いもの。そしてその抱き方を、多くの母親は毎日寝不足になりながら調べたりあれこれ試したりして習得しています。

抱っこだけではありません。おっぱいの飲ませ方、げっぷの出させ方、首が座らない中での沐浴、肌の保湿、とても小さな爪の切り方…。とにかく毎日毎日必死で乗り越え、少しずつ慣れていきながら育児スキルをアップさせているのです。

母親が死に物狂いの努力によって得たこうしたスキルを、赤ちゃんの好き嫌いや“女性がもともと持っている”と決めつけるられる「母性」という便利な理由で片付けないでほしい。なぜならそれは「何もしなくても育児に必要なことは自然にこなせる」と思われていることと同義のように感じるからです。

「母性神話」が加速させるのは男性の育児離れだけじゃない

「女性は子どもを産めば自動的に母性が出る」と言うような“母性神話”は、非常に便利な考え方です。「母性が出るから、女性は育児をするべき」と性別による役割分担が簡単にできるからです。

しかし、出産できることや母乳が出ることは、女性が持つ体の単なる機能。その機能だけで育児の向き不向きや育児分担を決めるのは、あまりに女性に多くを押し付けすぎでいる感が否めません。

父親であれ母親であれ、初めての子育てにおいては右も左もわからないという同じ状態からスタートします。であるにも関わらず「女性の方が育児に向いている」とすることは、父親が育児に関わらないことを肯定しているようにも思えます。また、「男性は母性がないから育児に向いていない」とするのは育児を頑張っている男性に対しても失礼な物言いでしょう。

そして「女性が育児に向いている」という考えによって同時に推し進められるのは「男性は仕事に向いている」という考え方。育児や仕事の向き不向きが、性別ではなく個人で捉えられるべきなのは、男女平等の観点によるものだけではありません。

女性が男性に対し、「仕事に向いているのにどうしてそれしか稼げないの?」「男性なのに仕事でミスをするなんて」という見方は、人格否定にまで繋がってしまうからです。

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最終更新:3/22(金) 22:55
LIMO

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