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[特派員コラム]『82年生まれ、キム・ジヨン』と『さよならミニスカート』

3/22(金) 7:32配信

ハンギョレ新聞

 時々立ち寄る町の書店がある。雑誌、旅行、スポーツのような趣味関連の書籍、そしてベストセラーを中心に陳列してある平凡な書店だ。大衆的に売れないような本は目につかない書店だ。ところが、最近の韓国小説『82年生まれキム・ジヨン』が平台の最もよく見える所に置かれていた。町の書店で韓国本を見たこと自体が個人的には初めての経験だった。『82年生まれキム・ジヨン』は昨年12月に日本の出版社の筑摩書房から翻訳出版され、今までに9万部ほどが発行された。100万部以上売れたという韓国に比較すれば少ないものの、日本で発刊された韓国小説としては異例の発行部数だ。日本でも『土地』のような代表的韓国文学作品は翻訳紹介されているが、大衆的な注目をあびたものは多くなかった。ある日本の出版関係者は「日本人著者であっても著名な著者でなければ不可能な水準の販売量だ。日本でほとんど知られていない著者の本という点を考慮すれば相当な部数」だと話した。

 著者チョ・ナムジュさんは先月19日、日本最大の書店である東京の紀伊国屋書店で開かれた記者会見にも参加した。チョさんは『82年生まれ、キム・ジヨン』の日本国内での人気に「驚いた」として「日本の読者たちが、小説を読んで自身も似たような経験をしたという話をSNSやインターネットに多く上げた。韓国と日本の社会の雰囲気が似ている点があり、日本の読者も共感できたようだ」と話した。筑摩書房の記者会見の後、日本の読者を対象にした有料行事を行った。芥川賞受賞作家、川上未映子とのトークショーだった。筑摩書房はこの行事のために座席を400席用意したが、受付数日目で売り切れた。行事場所の外で映像で行事内容を見ることのできる簡易座席50席も追加で用意したが、それも満席だった。

 『82年生まれ、キム・ジヨン』が日本で人気を呼ぶ背景には、韓国と日本が同じように抱えている苦々しい現実がある。女性に対して抑圧的な社会的雰囲気が似ている。国際機関が出す性平等関連の各種統計を見れば、韓国と日本は同じように下位圏を低迷している。国際議員連盟(IPU)が集計した1月基準の女性議員比率は、193カ国中で韓国が121位、日本165位(衆議院基準)だ。昨年、世界経済フォーラム(WEF)が発表した「2018年世界ジェンダー格差報告書」で、韓国は全体149カ国中の115位であり日本は110位だった。優劣を問うことに格別の意味がないほど、両国とも下位圏だ。

 反対に、最近日本で話題になった漫画『さよならミニスカート』が提起する問題意識も、韓国に舞台を移してもおかしくはない。少女漫画雑誌「りぼん」に連載されているこの漫画の主人公は、アイドルとして活動した経歴を隠して生活する高校生の神山仁那だ。ファンを自認する男性に襲撃を受け、傷を負った後にアイドル活動を止めた。神山は髪を男のように短く切りスカートははかない。いつもズボンをはいている。「女性性を利用して金を儲けたので、怨恨を買うこともありうる」という周囲の反応に傷を負ったためだ。スカートを好んではく同級生がセクハラにあったことに対して、周囲の男たちがスカートをはいたからだと話し、神山が吐きだしたセリフが有名だ。「スカートはお前たちのような男のためにはくわけじゃない」。セリフ自体は当然の話だ。スカートをはこうがはくまいが、本人の自由で他人が口出しすることではない。だが、女性性、そして男性性を誇張して強調する社会では、このセリフは当然でないのが現実だ。

チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:3/22(金) 7:32
ハンギョレ新聞

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