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速さに加えクレバーな戦い方を身につけたフェルスタッペン【今宮純のF1オーストラリアGP採点】

3/22(金) 13:26配信

オートスポーツweb

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。今回は2019年F1開幕戦オーストラリアGPだ。
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☆ ランド・ノリス/マクラーレン(予選8番手/決勝12位)
 ルーキー・トリオで誰が予選トップにくるか。最年少19歳ノリスが最年長39歳のキミ・ライコネンを抑え予選8番手に入ったのは驚かされた。フリー走行まですべて18番手(ウイリアムズのちょっと前)、難度の高いコースに翻弄された。

オーストラリアGP、スタートでルイス・ハミルトンをかわし逆転優勝を飾ったバルテリ・ボッタス(メルセデス)

 予選になるやQ1:8番手→Q2:9番手、Q3:8番手、とくにセクター2のリズムが高まった。決勝スタートではベテラン勢に攻略され12位、“実戦レッスン1”で終わったがルーキー賞☆を。

☆☆ ランス・ストロール/レーシングポイント(予選16番手/決勝9位)
 レーシングポイントでの初戦にしっかりタイヤ戦術を遂行。スタートでミディアムタイヤを選択した役割を理解し27周スティントをカバー、“お坊ちゃまイメージ”を払拭する手堅い展開。これにはセルジオ・ペレスも驚いたことだろう(1周目の順位アップ力も)。

☆☆ キミ・ライコネン/アルファロメオ(予選9番手/決勝8位)


 アルファロメオのキミが地味だった旧ザウバーのイメージを変えた。スターが居ると違うものだ。

 序盤12周目、まっさきにピットイン、これを見て上位チームが動く。ただこれは、戦略ではなくブレーキダクトに自分の“捨てバイザー”が絡まったからだ。ある意味これがレースの流れを変え、続々と早めのタイヤ交換に。ライコネンが筋目を“演出”したとも言えよう。

☆☆ セバスチャン・ベッテル/フェラーリ(予選3番手/決勝4位)


 テストから開幕戦でフェラーリが謎のステップ・バック。金曜から日増しに戦力に問題を抱えこむ不振に表情も曇るベッテル。

 フカヨミかもしれないが、今年からシミュレーター担当ドライバーが一新された。クビアトは去り、パスカル・ウェーレイン、ブレンドン・ハートレーの新人たちに。

 現場とファクトリー間でさまざまな対策・対応策がとられただろうが、そのフィードバックなど新メンバーを含め円滑に機能したのかどうか。開幕戦の敗因は一つではなさそうだ。気持ちをあらたにベッテルの開幕は2週間後――。

■6年連続のポールポジションを決めたルイス・ハミルトンだったが……

☆☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー(予選11番手/決勝7位)
 いくつかマイナートラブルが発生するなか、金曜FP2にハードタイヤ(C2)でロングラン。このデータを活かし、決勝第2スティントをそれで44周カバー。ラップダウンながら7位を確保してみせた。戦力的に見てルノー・ワークスは現状“Bリーグ”の中位にとどまった。

☆☆☆ シャルル・ルクレール/フェラーリ(予選5番手/決勝5位)
 危なかった1コーナー、ベッテルとの同士討ち・接触を紙一重でまぬがれた。

 彼はフロントウイングを失わずに済み、ベッテルもパンクせずにレース続行。この危機回避プレーによって、4&5位=22点が得られた。2018年苦戦を強いられたコースで再三乱れたものの58周目に自己ベストタイム(4位)、エースの後ろに従い存在をアピール。

☆☆☆ ルイス・ハミルトン/メルセデス(予選PP/決勝2位)


 6年連続ポールポジション、まさにアルバートパークは「ハミルトンパーク(?)」。予選で得意のセクター1でボッタスに0.020秒差に迫られ、セクター2では0.085秒劣ったがセクター3で優り決められた。

 この6年で最もシビアなPPだった。その焦りかどうか、スタートでホイールスピン。フォーメーションラップ後、グリッドにいる間にリヤタイヤが冷えた可能性もある。

☆☆☆☆ ケビン・マグヌッセン/ハース(予選7番手/決勝6位)

 アルバートパーク・サーキットに強いハース、ロマン・グロージャンとマグヌッセンが今年も“Bリーグ”の1-2ポジション。

 本家フェラーリのルクレールとのタイム・ギャップは僅少差。これはVF-19のエアロパッケージがバンピーな路面、強風などの“外乱要素”に、安定したダウンフォースを発揮できるからなのでは。おそらくそれが、小松礼雄チーフエンジニアが「ウチは速いです」という根拠のひとつか……。

■ファイターに変身したバルテリ・ボッタス

☆☆☆☆ ダニール・クビアト/トロロッソ・ホンダ(予選15番手/決勝10位)


 昨年、ボッタスが15番手から8位入賞している。トロロッソ・ホンダに戻って来たクビアトがそれに匹敵するような“アップ・レース”を披露した。ガスリーとの攻防に1年間シミュレーター開発していたブランクの錆びは無く、自己ベストタイムも6番手。

 ホンダ勢4人のうち、ルノーPU(パワーユニット/エンジン)で実戦経験がありフェラーリのシミュレーター経験を持つ彼は貴重だ。2チーム供給初戦にホンダは4台分の膨大なデータを収集でき、これが今後のプラスエネルギーにもなる。

☆☆☆☆☆ マックス・フェルスタッペン/レッドブル・ホンダ(予選4番手/決勝3位)


 フェルスタッペンがクレバーに変身だ。金曜のトラブルにも我慢し(モノコック交換)、充分に走行プログラムを消化できなくても焦らず、予選でフェラーリの間に割り込んだ。最終コーナーでリヤがリミットに達していたのをコントロール、マックスらしい技だ。

 レース展開では序盤はじっくり、中盤にベッテルを攻撃、終盤でハミルトンと勝負、キャリア5年目の彼に凝縮されたクレバーさを実感。

☆☆☆☆☆ バルテリ・ボッタス/メルセデス(予選2番手/決勝1位/最速ラップ)


 いっぽうのボッタスは、ファイターに変身だ。開幕仕様のメルセデスW10は初日からフロントが跳ね、これまでと違う挙動を示していた。

 ハミルトンの方にそれが強く見られ、ボッタスはコーナー進入時にやや早めに減速し立ち上がりを意識しているように映った。一発力によってPP奪取した王者がチームメイトを誉めたのは、けしてお世辞ではあるまい。いままでにない圧力、ファイターに変身したバルテリを知ったに違いない。

 担当エンジニア・グループが変わったことも関係しているかもしれない。開幕戦はヒゲ面で現れたボッタス、北欧バイキングに変身(!)。

[オートスポーツweb ]

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