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40年越し夢の結婚式 83歳妻、14歳下の夫に感謝

3/22(金) 1:43配信

北國新聞社

 住宅型有料老人ホームマナの家木曳野(木曳野2丁目)に入所する相田美恵子さん(83)が21日、同施設で夫英雄さん(69)と結婚式を挙げた。片町のスナックの元ママと、14歳下の夫。結ばれた当時は入籍だけで静かに新婚生活を始めた。あれから40年。家族や職員、入居者から盛大な祝福を受けた2人は、念願の指輪交換やケーキ入刀に満面の笑顔を浮かべた。

 出会いは約45年前にさかのぼる。のと里山海道の整備に携わっていた英雄さんが、片町センタービルのスナック「藤」でママだった美恵子さんに一目ぼれした。店へ通い、愛を育んだ2人。独立を決めて福島県へ帰郷した英雄さんを追い、美恵子さんも店をたたんだ。1979(昭和54)年8月に籍を入れ、同県双葉町で暮らし始めた。

 2011年3月の東日本大震災で生活が一変した。双葉町は東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域に指定され、親戚のいる栃木県などへの避難を余儀なくされた。

 追い打ちを掛けるように翌年2月、美恵子さんが脳内出血を起こし、左半身にまひが残った。病気の影響か、少しずつ英雄さんが理解できない発言も多くなり、ふるさとで施設に入所した。

 一時は英雄さんも金沢で暮らしていたが、墓守などのため現在は福島県いわき市で暮らす。片道約7時間かけて、車で愛妻を見舞うのが月1回の楽しみだ。

 「新婦の入場です」。この日、ウエディングドレスに身を包んだ美恵子さんは、職員に支えられながら、見舞いに来た英雄さんの元へ歩き「ヒデオいつもありがとう。愛してます」と書いた色紙を手渡した。

 思わぬサプライズ演出に最初は驚いた英雄さんも、しっかりと妻の肩を抱き寄せた。結婚式では定番のブーケトスもあり、見守った参加者は涙を浮かべながらにぎやかに過ごした。

 マナの家では、誕生月の入居者の夢や希望をかなえる事業を行っている。今月20日が誕生日の美恵子さんは「お父さんと結婚式がしたい」と望んだ。

 式が終わり「こんなに幸せになるなんて夢にも思わなかった」と声を弾ませた美恵子さん。英雄さんは「いい思い出になった。不安と楽しみ、いろんな気持ちで金沢に来るが、これほどうれしいプレゼントはない」と感激した。夫婦の絆を再認識し、いたわり合って生きていこうと約束した。

北國新聞社

最終更新:3/22(金) 1:43
北國新聞社

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