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こんな時代に純喫茶の経営に乗り出した男の「なるほど」な勝算

3/23(土) 8:05配信

ITmedia ビジネスオンライン

 JR西荻窪駅(東京都杉並区)から徒歩数分の場所にレトロな雰囲気が漂う喫茶店がある。店の前には値札のついた椅子やテーブルが置いてある。いずれも使い込まれたものばかりで、数十年営業してきた喫茶店に置いてありそうだ。

【画像】見てるだけで楽しくなる店舗の様子

 ここは、2019年1月にオープンしたばかりの「村田商会」だ。正確に説明するならば、老舗の喫茶店を1人の男性が引き継いで、自分のお店として運営しているのだ。お店ではコーヒーなどを提供している。また、閉店せざるを得ない喫茶店の椅子やテーブルを引き取り、補修したうえで自前のネットショップなどで販売している。

 安さを武器にしたコーヒーチェーンが次々とオープンしている。また、コーヒー1杯の単価はスタバより少々高いが、居心地の良さを売りにしたルノアールといったチェーンも好調だ。そのため“昭和の純喫茶”が次々と姿を消している。こんな状況で、男性はどんな勝算があって喫茶店の経営に乗り出したのだろうか。

喫茶店の家具に着目した背景

 村田商会を運営するのは村田龍一さんだ。名刺を見ると「喫茶家具・食器等の買い取り・販売 喫茶店営業」と書いてある。「自分1人が食えるくらいは稼げる」(村田さん)ようになったので、夢の喫茶店経営に乗り出したという。いったい、どんな経緯で喫茶店の家具を販売するようになったのだろうか。

 村田さんはネットショップの運営をする前、会社員として洋服や雑貨の中古販売を手掛けていた。地方へ転勤することもあったが、中古品販売のノウハウは現在のビジネスに直接生きているわけではないという。

 東京生まれ、東京育ちの村田さんは学生時代から古い喫茶店に足しげく通っていた。大学を卒業して社会人になってからは行動範囲を広げ、地方の喫茶店も訪問するようになった。

 25歳のとき、閉店することになった喫茶店を訪れた際、マスターから「この家具は全部捨てちゃうんだ」という話を聞いた。それはもったいないということで、家具を譲り受け、自宅に持ち帰った。そのころから、村田さんはあることに気付き始めていた。

 「輸入アンティークや日本の和家具といったものは、中古品としてジャンルが確立しています。しかし、開業してから数十年が経過した喫茶店の家具というのは、アンティークほど古くなく、普段使いの家具としても定着していませんでした。いわゆる新古品とも違いますし、“ジャンルの隙間”のような存在だなあと思っていました」

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