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「青春ストーリーを、大人が勝手に作っている」坊主文化や球数制限で慶應高の監督が指摘

3/23(土) 9:42配信

ハフポスト日本版

エンジョイ・ベースボールは、勝利を追求する

私たちが掲げている「エンジョイ・ベースボール」は、皆さんのイメージでは「楽しい野球」ですが、私たちにとっては「野球を楽しもう」です。何が楽しいかというと、当然スポーツなので勝つこと。そのために自分の技量を上げて、チームも強くなり、その結果、勝利という果実が得られる。結局みんながやっていることです。

付け加えるとしたら、「より高いレベルの野球を楽しもう」という意識です。より高いステージで野球をして、そこで見える景色を楽しむのが、ぜいたくな野球の楽しみ方じゃないでしょうか。高校野球ではやはり甲子園でしょう。負けてもいいだなんて全くなくて、勝利は貪欲に追求します。

球数制限「最終的には大人が責任を持って決めるべき」

2018年夏の甲子園、神奈川県大会決勝の桐光学園戦で、8回まで投げたエースピッチャーが打線に捕まり、いったん外野に下げました。

その回をしのいで、9回に再びエースをマウンドに上げるかどうか、私が「身体どう?」と聞いたら、5秒くらい考えて「僕じゃなくて、渡部(2番手のピッチャー)が投げたほうが勝てると思います」と言いました。それで2番手のピッチャーが続投して、何とか決勝を勝ちました。

普段からちゃんとコミュニケーションをとって、自分の身体の状況を率直に伝えられる関係がないと、「行ってくれよ」という意味で「行けるか?」と聞かれても、断れないですよね。「投げないほうがいいと思う」と言ったのは、すごくうちらしい。

「エースの責任感」や「投げさせてほしい」と直訴する子がいてもいいですが、それでも止めるかどうかが指導者の役割で、最終的には大人が責任を持って決めるべきです。判断力が問われます。

野球は、どうしてもピッチャーに負担が偏りがちです。だから、投球数やイニングの制限、または何日間で何球という大会中トータルでの球数制限などは導入するべきでしょう。

各都道府県や学校ごとに事情が違うは分かりますが、監督や指導者だけに委ねるリスクというか、故障させてしまうことにつながる可能性は、やはり高いと思います。

どんな制限がいいのかは、やりながら試行錯誤するもので、やる前からこうじゃないと言って、結局何も進まないのは違いますよね。

新潟高野連には敬意を表しますし、勇気を持って追随する都道府県が出るべきだと思います。問題提起をしたおかげで、多くの人が目を向け、有識者会議が立ち上がりました。本当は、ずっと前からやるべきことなんですけどね。

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最終更新:3/23(土) 12:59
ハフポスト日本版

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