ここから本文です

「トランプ大統領」と「刑事コロンボ」に見るアメリカの「反知性」

3/23(土) 9:00配信

THE PAGE

無知性と超知性

 これまで書いてきたように、人類は都市化を進める動物であると同時に、その心に都市化への怨念をやどす動物である。これを「都市化の反力」と表現した*1。そして少し前のAIに関する論考で、都市化の本質は「脳の外在化」であるとした*2。つまり人間は脳の外在化を進める動物であり、その心に、その集団精神に、脳の外在化に対する怨念をやどす動物でもある。「反知性の力」とはその「脳の外在化の反力」と考えていい。

 そして僕は、その反力を、必ずしも否定すべきものではなく、人間性の必然であり、むしろ歴史の展開に必要な動力であると考えてきた。従ってここで、今の世界の潮流となりつつある「反知性の力」を否定しようとは思わない。

 それは人間というものがもつ文化の力学なのだ。

 もちろん反知性の力は時として暴力化する。しかしより良い知性の種子ともなる。
分かりやすく、前者を「無知性」、後者を「超知性」と表現すれば「反知性」はその両者を含むのである。

 アメリカにおけるトランプ現象、ヨーロッパ諸国における排外主義の台頭、東アジアにおける軍事均衡主義の顕現、こういったものの背景には反知性の力が働いている。

 しかしそれを一括して、無知性のポピュリズムと決めつけて否定するのは早計であるような気がするのだ。

 人間は「知性」というものに、敬意を抱きながらも、敵意を抱く動物である。



*1:THE PAGE 建築から戦争を考える(中)第二次世界大戦に駆り立てた都市化への怨念(2018年8月14日掲載)
*2:THE PAGE AIは「脳の外在化」を進める人間の必然(2019年2月23日掲載)

4/4ページ

最終更新:3/23(土) 9:00
THE PAGE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事