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市町村設置進まず 児童虐待防止の総合拠点

3/24(日) 8:06配信

福島民報

 国が児童虐待防止や子育て世代の支援などを目的に全市区町村に二〇二二年度までの設置を求めている「子ども家庭総合支援拠点」が浸透していない。福島県内の設置市町村は小野、西会津の二町にとどまる。全国で相次ぐ子どもの虐待事件や、児童相談所(児相)の負担増加が課題となる中、県は開設を目指す市町村への財政支援制度を二〇一九年度につくる。地域ぐるみで子どもを守る仕組みを築き、初期対応力や関係機関の連携を強化する。

 福島県が想定する支援拠点と児相の役割、連携のイメージは【図】の通り。

 支援拠点は相談対応を通して、市町村内の子どもと家庭の状況を把握し、虐待に関する情報を集める。基礎自治体としての住民との接点が多い市町村の利点を生かし、リスクのある家庭や子どもを早期に把握する。市町村を管轄する児相や医療機関、学校など関係先との連絡調整を担う。児相と連携して要支援・要保護児童の支援や指導に当たる。

 二〇一六(平成二十八)年の児童福祉法改正に伴い、市区町村に努力義務として設置が求められた。拠点の人員配置基準は十八歳未満の児童人口規模により異なる。社会福祉士や精神保健福祉士、保健師、保育士など専門資格を持つ職員を最低二人以上置くこととされている。

 人件費や事業費に国庫補助があるが、二〇一八年二月時点で開設した市区町村は全国でも六十七しかなく、理解は広まっていないのが実情だ。こうした状況を踏まえ、県は市町村が制度に詳しい専門家を招く際の報酬や、職員を研修や先進地視察に出す際の経費を支援する。二〇一九年度は一市町村当たり二百万円を上限として四件程度の補助を見込んでいる。

 県は支援拠点と並行して、民間団体が虐待や不登校などの相談に応じる「児童家庭支援センター」の認可も進める。児童養護施設を運営する社会福祉法人などから希望する事業者を募り、心理分野の専門職を雇う場合の人件費や事業費など約一千三百万円を補助する。

 県内四カ所の児相に加え、支援拠点や支援センターという新たな窓口を県内に増やすことで子どもの安全を守るネットワークを強化し、虐待の早期発見や悪化防止につなげる。

   ◇  ◇ 

 二〇一七年度に県内の児相が対応した児童虐待に関する通告・相談の件数は千百七十七件、二〇一八年に県警が虐待の疑いがあるとして児相に通告した子どもは八百三十三人でいずれも統計開始以来最多となった。児相の職員不足や業務量の多さを踏まえ、市町村の体制拡充の必要性が指摘されている。

 県児童家庭課は「虐待などのリスクを抱えた子どもを地域全体で守るため、支援拠点や支援センターの仕組みを県内に広げたい」としている。

最終更新:3/24(日) 10:05
福島民報

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