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東京福祉大、留学生大量行方不明の元凶は政府のご都合政策―留学生は学生か働き手か

3/24(日) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

1年間で700人近い留学生が除籍や退学、所在不明となった東京福祉大学。

週に10時間以上の聴講をさせる「研究生」として受け入れる制度を“乱用”して、アジア各国から日本で働きたい学生をかき集めていた実態が、次第に明らかになっている。

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アジアからの留学生をなりふり構わず受け入れる大学の姿勢は無軌道すぎるが、問題の背後にあるのは、立ち位置のはっきりしない政府の留学生政策と外国人労働者政策だ。

留学の本来の目的は日本で勉強をすることだ。まじめに勉強や研究に励む留学生も多いが、週に28時間以内という労働を認めていることで、留学という名の“出稼ぎ”が横行している。

政府がこうした実態に事実上目をつぶっているのは、国内の「18歳人口」の減少と、人手不足の両方を補う存在として、留学生を受け入れてきた面があるからだ。

このあいまいな仕組みは結果として、勉強や労働の意欲を持って来日した人たちの中から、多くの不法滞在者を生んでいる。

「大変由々しき問題だ」

今回の問題に火が付いたのは、国会での野党議員の質問からだった。

2019年3月7日に開かれた参議院の予算委員会。立憲民主党の石橋通宏・参院議員が、多くの留学生が所在不明になっている実態を示したうえで、柴山昌彦・文部科学大臣に詰め寄った。

「収入を確保するために、留学生をかき集めている実態がないか」(石橋氏)

「在学生の多くを外国人留学生が占めるのみならず、通学実績がないにもかかわらず定員充足を図るために、委員の言葉を借りれば、留学生をかき集めるような事例があることは承知している。たいへん由々しき問題だ」(柴山大臣)

私大の定員割れを補う留学生

少子高齢化が進む日本で、私立大は学生の確保に苦労している。

日本私立学校振興・共済事業団の調査によれば、2018年度に調査対象となった582校のうち、210校(36.1%)が、入学定員を満すことができなかった。

一方で政府は、2008年に留学生30万人計画を打ち出し、留学生の受け入れ拡大を進めてきた。2018年5月の時点で大学や日本語学校などに在籍する外国人留学生は約29万8000人に達しており、目標はほぼ達成された。

こうした中で浮上したのが、所在不明となっている留学生の問題だ。

文部科学省によれば、東京・池袋などにキャンパスがある東京福祉大学で2017年度中に、688人が退学または除籍になっているが、行方不明者は0人と報告されているという。

その内訳をみると、退学が193人で、学費の未納などによる除籍が495人と7割を超えている。

入学金と学費の一部を支払って入学したものの、その後の学費が支払えず、学校に来なくなるケースが多いという。

予算委員会での質疑では、全国の大学で1年間に5000人近い留学生が、除籍や退学、所在不明になっているとの数字も明かされた。

除籍や退学で学生でなくなった場合、留学生のビザは失効し、不法滞在になる。

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最終更新:3/24(日) 14:33
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