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「沖縄を守ろう」ローラが、クイーンが… 個人の思い拡散 SNSが変えた情報の広がり方

3/24(日) 6:45配信

沖縄タイムス

幻想のメディア SNSの民主主義(15)第2部 配信の仕組み

 2018年12月8日、ハワイ在住で県系4世の作曲家ロブ・カジワラさん(32)が、インターネット上で県民投票(19年2月24日)実施まで、沖縄県名護市辺野古の新基地建設の工事停止を求める電子署名の呼び掛けを始めた。自身のルーツがある沖縄で、名護市辺野古に新たな基地が造られようとしている。その作業を止めたいとの思いだった。

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 米ホワイトハウス嘆願書サイトでの署名を開始した当時、カジワラさんのツイッターのフォロワーは270人。しかし投稿は県出身者を中心にあっという間に広がり、初日だけで千回も「リツイート」(転載)された。

 5日後、本紙が署名を話題にしたブログをツイッターで見つけて記事に。同日は琉球新報も署名について報じた。3日後、沖縄出身のタレント、りゅうちぇるさんが、署名について報じた地元紙のニュースを「リツイート」した。

 個人が発信したSNSを地元メディアが扱ったことで、署名活動が「ニュース」として再びSNSに逆流した形だ。

 りゅうちぇるさんのリツイートからさらに2日後、フジテレビが全国放送で初めて署名の動きを報じた。その後、モデルのローラさんがインスタグラムで「沖縄を守ろう」と署名を紹介した。

 フォロワー数530万人のローラさんの呼び掛けは、注目されそうな話題をまとめる「トレンドブログ」で扱われた。トレンドブログは発信者不明のことが多い。ここで、署名の経緯や署名に関するツイッターの反応などがまとめて紹介された。

 この時点で署名開始から10日間。署名は目標の10万件を達成した。個人の発信に加えネット上での影響力が大きい「インフルエンサー」と呼ばれる芸能人らが加わったことで、情報の拡散はさらに勢いづいた。

 年が明け19年1月7日、英ロックバンド「クイーン」メンバーのブライアン・メイさんも署名の呼び掛けに加わり、国内外のメディアの注目を集めた。

 呼び掛け開始から1カ月後には署名数は約20万人に。署名締め切りのころにはリツイート数は、約2万5千まで伸びた。カジワラさんは「SNSなしに署名の成功はなかった。SNSがなかった世代は、こうした運動はできなかったのではないか」と振り返る。

 マスメディアが独占していた情報の発信が、SNSの登場で一気に変わったことを物語っていた。

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最終更新:3/24(日) 7:05
沖縄タイムス

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