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#metoo #youtoo 議会はいま 女性新顔、壁破れるか

3/25(月) 5:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 各政党に女性議員を増やすよう促す「政治分野の男女共同参画推進法」の昨年施行から初となる統一地方選が、知事選を皮切りに始まった。2017年末時点の内閣府調査によると、神奈川の女性地方議員の割合は20・1%で全国2番目の高さ(最高は東京の26・9%)だが、女性の政界進出に立ちはだかる壁は高いのが実情だ。そんな中、多様な声を議会に届けようと奮闘する人たちがいる。

◆「常識」問う
 横浜市議選で市北部の選挙区への立候補を予定する新人の40代女性のホームページには、ミシェル・オバマ米大統領夫人(当時)らと並ぶ画像がある。

 妊娠や出産を理由とする職場での嫌がらせ「マタニティーハラスメント」被害者への支援が評価され、15年に米国務省の「世界の勇気ある女性」賞を受賞した時のものだ。マタハラを世に知らしめた女性は「これまでの選挙の常識で当選しても意味がない」と語り、今回の挑戦が普通の女性に政界への道を開くためにあると言う。

 公認する党大物らとの、いわゆる「2連ポスター」の張り出しなどはしない。告示後も選挙カーによる連呼などは控える考えで、インターネットによる活動などを重視する。

 「母や妻、娘など、いくつも顔を持つ女性が政界に入るのは難しい。だが、そうなると普通の女性は声を届けられなくなる」

 自身も2歳の長女、0歳の長男の育児中。おのずと時間の制約を受けるが、それ以外にも女性の政界進出には課題が多いと感じている。「友人は立候補するために会社を辞めたら、保育園は就業が条件のため、預かってもらえなくなってしまった」と話す。

 「家庭が壊れたら意味がない。頑張り過ぎないやり方で政治に参加できることを訴えたい」

◆一人親の志
 横浜市議選で市西部の選挙区に出馬予定の新人女性は40代のシングルマザーだ。「きょうはお散歩に行けるといいね」「うん」。3歳の娘との会話を楽しみながら保育園に向かう。

 およそ10分間の移動時間も「親子にとって大切な時間」だ。友達のもとに走って行く姿を見届け、街頭活動へと足を向ける。

 本来、朝の通勤時間と夕方の帰宅時間は、駅前で有権者に訴えたい。だが、9歳と3歳の子ども2人の世話などに追われ、どうしても活動時間は限られる。ましてやこの時期は卒園式など学校行事が増える。

 「今は母が手伝いに来てくれているから何とかなっているが一人では厳しい。家族や周りのサポートがあって成り立っている」

 そう言って複雑な表情を浮かべたが、志は変わらない。「同じ女性、同じ母親だからこそ、話せる相談もあるはず。私が受け皿になり、社会が変わるきっかけの一つになりたい」

◆偏見に対抗
 政界進出への思いが周囲の理解を得られないケースもある。「子育てを放棄するのか。夜の宴席にだって付き合えないだろう」。横浜市議選で北部の選挙区への立候補を表明している新人の40代女性は、父に出馬の意思を打ち明けると猛反対された。

 看護師を務めながら現在1歳と5歳になる子どもを育てているが、医療と介護の連携や、虐待の未然防止を目指したいと思うようになったのが理由だ。

 父にはこう返した。「夜の付き合いがないと成り立たない政治なら私が変えたい。ちゃんと子どもとの時間を持ちながら、市民の声も届ける。そういう姿を見てもらいたい」。少しずつ理解を促し、立候補を認めさせたという。

 今は夫や一時保育、ボランティアなどの支援を受けながら活動する。

 「実の父ですら偏見があった。女性の政界進出が社会に根付くのには時間がかかるかもしれない」。だからこそ意義をかみしめる。「普通に子育てをしながら看護師をやってきた私がやることで、誰でも政治に参加できるということを証明したい」

(「#MeToo#YouToo」取材班

神奈川新聞社

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