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局地戦でAWSに勝利したMicrosoftとGoogleだが……

3/25(月) 8:00配信

TechTargetジャパン

 第1回(Computer Weekly日本語版 3月6日号掲載)では、小売業界におけるクラウドビッグ3の戦いにおいて、AWSが小売業者に敬遠されるという弱点を指摘した。

 第2回では、AWSから顧客を奪うGoogleとMicrosoftの動向を紹介する。

マルチクラウドが正解でないとき

 利益競合に関する顧客の懸念を払拭(ふっしょく)する方法として、マルチクラウド戦略があるのは確かだ。だが、それがどの企業にも適しているわけではない。そう語るのはCCS Insightでエンタープライズリサーチ部門のバイスプレジデントを務めるニコラス・マクワイア氏だ。

 デジタル化してまだ間もない小売企業がほとんどで、中には多数のクラウドプロバイダーを試している企業もある。このアプローチは時間と共に現実的、経済的ではなくなる可能性があると同氏は話す。

 「AWSを使用するメリットが利益競合の懸念に打ち勝つかどうか、てんびんにかける必要があることに気付くかもしれない」(マクワイア氏)

 「小売企業のみならず、多くの企業がマルチクラウド戦略を取っている。だが、本気で市場に革命を起こして企業を変革するのであれば、マルチクラウド戦略にこのまま従い続けるべきか判断しなくてはならないときが恐らく来る」と同氏は語る。

 「好ましいクラウドパートナーを見つけ、その1社との関係を深めることを選ぶ小売企業もあるだろう。単一のプロバイダーと密接な関係を築くことによって、経済的なメリットがあるだけでなく、さらなるイノベーションを引き出すことができるからだ」(マクワイア氏)

 最近も、クラウドベースの電子商取引プラットフォームプロバイダーBigCommerceが、同社のサービスを使用してオンライン取引を実行している6万人以上の小売業者を「IBM Cloud IaaS」とAWSからGCPに移行した例がある。

単一ホストの利用

 BigCommerceは以前、IBM Cloudでインフラの大部分をホストし、ピーク時のトラフィックはAWSで対処していた。だが遅延やパフォーマンス上の理由で、同社は現在Googleと契約している。

 同社は本誌に次のように語った。「GCPに移行する決断は、主に顧客のためだ。顧客の所在地、顧客自身の顧客の所在地について考えたとき、GCPが適切だと判断した」

 「Googleは世界中に独自のファイバーを設置している唯一のホスティングプロバイダーで、海底ケーブルネットワークを持つのもGoogleだけだ。売り手が顧客にできる限り近い場所にプレゼンスを持てるという点で、これは特筆すべきだといえる。ネットワーク面から見たGoogleの物理インフラは、強力な差別化要素であると考えた」

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