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“寝ながらゲームシステム”を生んだのは“セーラー服”!? ゲーミング家具ブランド“バウヒュッテ”の秘密に迫る!

3/25(月) 12:02配信

ファミ通.com

本能が求める快楽……!


 上の画像をご覧いただきたい。だらーんとしているようで、体は収まるべきところに収まり、覆い被さるように配置されたモニターは、適切な距離で視聴できるよう絶妙に調整されている。すばらしい、こんな環境でゲームを遊べたら最高すぎるじゃないか……!

 この“寝ながらゲームシステム”など、多彩なゲーム環境を提案するプロジェクト“デスク秘密基地化計画”を展開しているのが、ゲーミング家具ブランド“バウヒュッテ”だ。その公式サイト(https://www.bauhutte.jp/bauhutte-life/making-gaming-desk/)では、同ブランドの製品を組み合わせることによって実現する、魅惑的なレイアウト例が多数紹介されている。

 たとえば、大小さまざまな天板を岡のように連ね、広大な作業領域も実現した壮大な環境“ゲーマーズ・ビッグヒル”。


 デスク回りをテントで覆って没頭できる環境を提供する“ゲーミングキャンプ”。


 さらには、ペダルを漕ぎながらプレイすることで、運動不足を解消できる“サイクリング・ゲーミング”なんてものまで!


 一見すると奇想天外にも感じるが、確かにどれも、ゲーマーの心をくすぐる魅力的なものばかり。これらの企画は、どんなふうに生まれたのか? そして、ぶっちゃけこれらは売れているのか!? 本稿では、仕掛け人に詳しくお話を伺った。
ピンチに生まれたチャンス、それは“セーラー服”



――“デスク秘密基地化計画”は、いつごろから始められたものなのでしょうか?


川瀬公式サイトに“予算10万円で組めるゲーミングデスクのレイアウト集”という記事を作ったのが最初で、それが2017年の1月か2月でした。最初はこの公式サイトから始めて、その後ゲームショウに出展したり、カタログを作ったりして、ブランドを押し出していきました。


――“秘密基地化”というネーミングが、商品の特徴を正しく表現しつつとてもキャッチーで、絶妙ですよね。


川瀬僕らがやろうとしていることを、なるべくワクワク感があるワードでまとめたかったんです。男の子なら、子どものころに誰もが必ず思っているようなことを、大人になったいま、もう一度やってみようよ、と。


――すでに商品ラインアップとしては存在していたものを、“秘密基地化計画”として新たに提案した、ということでしょうか?


川瀬ゲーミング家具の取り扱い自体は、“秘密基地化計画”をスタートする1年前、2016年から始めていました。そのころに、いまメインとしているデスクや、ゲーミング座椅子がとてもヒットしたんですよ。


――ゲーミング家具単体での手応えがあったうえでということですね。そもそもゲーミング家具を扱うことになった経緯を教えてもらえますか?


川瀬バウヒュッテは10年くらいの歴史があります。僕が入社したのが2010年くらいで、そのころはオフィス家具部門がすごく儲かっていて、ゲーミング家具というコンセプト自体がまったく存在していませんでした。当時はインターネットで家具を販売すること自体が珍しかった時代で、私たちがそれをいち早くやって成功していたんです。
 それが、2014年に増税があり、それとまったく同じタイミングで、中国の工場から直接日本のAmazonに出品するという動きが、急拡大してきまして……。


――なるほど。増税によるコスト増と、激安なライバルが同時に押し寄せてきた、と。


川瀬はい。それで方向転換を余儀なくされたわけですが、そのころ一時的に、ビビラボという別ブランドで、セーラー服などを作ったんです。


――セーラー服!?


川瀬セーラー服とか、人間型の抱き枕とかですね(笑)。そういうものが、メディアさんとか、SNSなどですごくバズって、めちゃくちゃ売れたんです。それこそ、それまでのオフィスチェアを売るビジネスがバカらしくなるくらい。



――それでオフィス家具に限らず、いろいろなチャンスがあるぞと。


川瀬そうなんです。そこで学んだのが、メディアやSNSで広がるキャッチーなものを作れば、売上につながるんだと。ただ落とし穴もあって、ガンッと話題になるものって、落ちるのも早くて。売り続けるには、毎回毎回新しいものを作り続けなければいけないんですよ。


――なるほど……まったく新しい商品なんて、そうそう生まれるものではないですよね。

川瀬それで2016年くらいに、やっぱり家具のほう、バウヒュッテのブランドに戻していこうという考えになりました。ただそこで、ふつうに家具を売るのではなくて、セーラー服時代に学んだように、キャッチーな家具にしたかったんです。考えた末に、僕もゲームが大好きだったので、ゲームと家具を組み合わせてやってみよう、と思いつきました。


――キャッチーなものが売れるという学びと、自社の強みである家具のノウハウが融合したと。


川瀬はい。それがうまくいったので、2018年に入ったくらいからゲーミング家具ブランドを名乗り始めて、いまにいたるという感じですね。


――安売り路線ではなく、きちんとした品質を求めたことも、ゲーマーの信頼を得るうえで大きかったのではないですか?


川瀬そうですね。ただこれは、うまくいかなかった時期の反省点として、低価格路線で戦おうとすると、利益が出せない状態になっていたんです。値下げすることは不可能で、上に行くしかなかった、というのはありますね(苦笑)。


データに裏付けられたセーラー服のニーズ


――ちょっと話がそれてしまいますが……セーラー服、興味深いです(笑)。もう少し詳しく教えていただけますか?


川瀬コレ、本当に売れたんですよ(笑)。Twitterで発売を告知したら、60000リツイートくらいされて。とんでもない数が売れました。そこで、冬服版や着る毛布版など、バリエーション展開もしました。



――これは服、なんですか?


川瀬パジャマですね。これは余談ですが、調査したところ、日本でのセーラー服の採用率って、10%以下に落ちているんですよ。つまりいまの日本の女性は、9割以上の人がセーラー服を経験せずに学生生活を終えるわけですね。


――確かに! 街中でほとんど見かけなくなった気がします。


川瀬でも弊社調べでは、女性のうち3割くらいは、セーラー服を着られなくて、着てみたかったと感じているんです。それなら、部屋の中で着られるセーラー服を作れば、欲しいと思う方は多いだろうと思ったんです。2000人くらいにアンケートを採ったので、セーラー服市場については弊社が日本でいちばん詳しいかもしれないですよ(笑)。


――(ホームページを見ながら)いろいろなバリエーションがあるんですね。


川瀬デザインは3種類あって、80年代のスケ番風、90年代のミニスカルーズソックス、00年代の紺ハイソックスの3タイプです。


――ああなるほど。世代によって、自分の中のセーラー服像が違うわけですね。


川瀬人や地域によってかなり違いますね。弊社の内部だけで実施したアンケートでは、回答者が30代中心だったので、やはりミニスカルーズソックスタイプが一番人気でした。いわゆるコギャル世代ですね。


ほかにはないゲーミングデスク、その秘密は……


――さて、デスク秘密基地化計画に話を戻しまして。最初に提案したのは6パターンだったとのことですが、その時点での反響はいかがでしたか?


川瀬めちゃくちゃ売れました。まったく生産が追いつかないくらいでしたね。


――寝ながらゲームシステムは、“デスク秘密基地化計画”のホームページ内でも、さらに専用のページがあったりしますし、やはりとびきり反響が大きかったのでしょうか?

川瀬大きいですね。いまだに一番人気なのではないでしょうか。これの反響がすごく大きかったからこそ、それじゃあもっと横にいろいろ増やしてパターンを作っていこうとなり、デスク秘密基地化計画として展開していくことになったわけですから。



――製品単体で見た場合、とくに人気の商品というと何になるのでしょうか?


川瀬これはいまでもですが、やはりデスクです。


――どんなところが人気なのでしょうか?


川瀬上下することですね。日本国内で流通しているデスクは、だいたい床から70センチの高さなんですよ。これは1970年代にJISが定めた高さなのですが、おそらく、当時はほとんどみんな手書きで作業をしていましたから、身長172センチくらいの平均的な男性が、手書きで作業をするなら70センチくらいがちょうどいいよ、ということだったと思うんです。
 けれど、いま主流のパソコンでの作業においては、もっと低いほうが、肘も肩もラクな場合が多い。また、女性が使う場合にも合わないし、まったく理にかなっていない高さなんです。
 そんな中で、身長や体格、使用するスタイルに応じてデスクの高さを変えられます、というのが、お客さんにすごく受け入れられたんです。


――なるほど。たしかに、チェアなら高さを変えられるのが当たり前なのに、デスクで高さを変えられる商品ってあまり見ませんね。


川瀬じつはそこも問題で、チェアって必ず上下できるじゃないですか。でも、せっかくチェアを上下に調整しても、デスクが上下させられないと意味がないんです。


――言われてみれば、結局はデスクの高さによって、チェアの高さも制限されてしまいますね。




――ちなみにユーザーさんは、こうして構成例で提示されている環境を、どんなふうに揃えていっているのでしょう? 思い切って一気に買う人もいれば、毎月少しずつとか、いろいろ考えられると思いますが。


川瀬直販はしていないので、誰がどんなふうに購入されているかまでは、正確にはわからないです。ただゲームショウなどでセット展示して販売していると、だいたい2割から3割くらいの方は、「これ全部セットでください」という買いかたをされますね。


――ああ、この状態をそのまま家に持って帰りたいと。


川瀬そうですね。でも、一度に購入されると、組み立てがけっこうたいへんというのはあります。僕らとしては、半年くらいかけて、毎月ひとつかふたつアイテムを追加していく“買い増し法”がいいですよ、とアドバイスしています。


――毎月ひとつずつ買って、徐々に理想のゲームルームが完成していくのは、想像するだけでも楽しそうですね!


川瀬ええ、それがいいと思います。ディア○スティーニ方式みたいな(笑)。


――今後も、新しい空間の提案をされていくのでしょうか?


川瀬いまはデスク回りだけではなく、リビングやベッド回りなど、部屋全体をデザインしようという考えで動いています。
 いま弊社の製品は、Amazonのシェアでいうと、チェアは3位から5位くらい。座椅子、デスク、スタンディスクデスク、チェアマットは、ほぼ1位だと思います。座椅子、デスク、スタンディングデスクは、ほぼ市場を独占できている状態ですが、今年は、ひさびさにチェアでしかけようかと考えています。この1年から1年半くらいで、たくさん出していきたいな、と。


――何か新しい空間のアイデアがおありなんですね?


川瀬そうですね。まだちょっと秘密ですが、今年のゲームショウには出したいと思っています。


――楽しみにしています。最後に、“デスク秘密基地化計画”に興味を持った読者の方に、メッセージをお願いします。


川瀬デスク回りを自分用に作っていくのって、家を建てるのと感覚が似ていると思うんです。家を建てるなんてそうそうできないですが、デスク回りならできますよね。
 ゲームに限らず、仕事や趣味も含めて、自分の理想の空間を作っていく楽しさを再発見していただけるとうれしいです。


ゲーマーならこれくらいは必須!? オススメセット例
 最後に、ファミ通ドットコム読者向けの構成例をほんの少しだけご紹介。ここまでも紹介してきた通り、バウヒュッテの公式サイト(https://www.bauhutte.jp/)では、さまざまな構成例が紹介されているので、そちらもチェックしよう。

【例1】機能性&ゆったり感満点セット
 寝ながらゲームシステムよりもさらにゆったり、全身の力を抜いて遊びたい人向けのセット。部屋中をふかふかにするマットと、特大ビーズクッションがポイント。


【例2】寝ながらシステム入門セット
 まずは家庭用ゲームを中心に、寝ながらゲームを楽しみたい人向けの入門セット。PCやマウス用のアイテムがないぶんお手ごろ価格。ここから拡張していくのもよし。

最終更新:3/25(月) 20:17
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