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【山木屋小の特例】多様な支援求める(3月25日)

3/25(月) 9:05配信

福島民報

 四月から休校になる見通しの川俣町の山木屋小について、県教委は通学希望者がいる場合、年度途中でも学校再開を認める。東京電力福島第一原発事故に伴い避難を余儀なくされた事情を考慮しての特例措置だ。

 少子化による学校の統廃合が進む中、古里の学校を残そうという柔軟な判断は高く評価できる。希望児童を呼び込むための学校の魅力づくりを一段と進めるきっかけにするべきだ。

 市町村教委が県教委に休校届を出すと、原則一年間は再開できない。山木屋小は今の六年生五人の卒業により在校生がゼロになる。町教委は休校届を今月中に提出する予定だ。

 特例措置は、原発事故による避難学校への新たな支援策として県内初の導入となる。小中一貫の山木屋中の教員が通学希望児童の授業を兼務する。そうした体制が整っているのも好条件になった。

 学びの場は、子育ての大切な受け皿になる。山間部にある学校が休校や廃校になった場合、子どもたちは遠距離通学を強いられる。子育て世代が古里に戻ったり、移り住んだりするのをためらう要因にもなりかねない。将来的に地域の存続自体に影響する。

 復興を目指す山木屋地区にとって、そうした意味でも学校の門戸を常に開けておく価値は大きいといえる。町教委によると、複数の家庭が今後、山木屋小への子どもの就学を考えているという。将来を担う宝として地域を挙げて迎えよう。

 町教委は、学区外からの進学を認める特認校制度を取り入れ、通学者の確保に努めている。さらに、一人一台のタブレットを活用した情報通信技術(ICT)教育などを推進してきた。

 目配せの行き届いた授業をさらに進めれば、山木屋小ならではの持ち味は高まるはずだ。地域と共に歩む学校の姿もみんなで考えてほしい。

 山木屋中の通学者は四月から三年生三人だけになる。卒業とともに休校になる可能性がある。山木屋小と同様の対応が求められる。

 現・旧避難区域だけでなく、子どもの数や人口が少ない地域で学校存続への努力が続く。飯舘村は草野、飯樋、臼石の三つの小学校を統合し、飯舘中を含めた小中九年制の義務教育学校を来春開校させる。大熊町では、熊町小と大野小の統合とともに、新しい学校を設ける案も浮かんでいる。山木屋小をモデルに地域の実情や要望を踏まえた多様な支援策を検討する必要がある。(五十嵐 稔)

最終更新:3/25(月) 9:05
福島民報

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