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ディノス札幌中央 6月で営業終了 通好みの映画館、ファンから惜しむ声

3/25(月) 6:02配信

北海道新聞

 映画館やゲームセンター、ボウリング場の複合娯楽施設「ディノス札幌中央」(札幌市中央区南3西1)が6月2日、100年の歴史に幕を下ろす。1918年(大正7年)開業の芝居小屋が起源で、かつては道内を代表する映画館「札幌劇場」があり、多くの人が足を運んだ。最近は通好みの作品を上映し、根強い人気を誇る。ファンは「文化のともしびが消える」と閉館を惜しむ。

【写真】6月の閉店が決まった「ディノス札幌中央」

道内初のシネコン

 現ビルは68年に建て替えられ、当時は8映画館が入っていた。中でも札幌劇場は「札劇(さつげき)」の愛称で、「風と共に去りぬ」「燃えよドラゴン」など数多くの大型作品が上映された。

 95年には映画館を上層階に集約し、道内初のシネマコンプレックス(シネコン)に。最近は低予算で注目された「カメラを止めるな!」(2018年)など話題性のある作品を上映した。運営会社のスガイディノス(札幌)で20年以上、作品選びを担当する多和田和弘さん(55)は「オスカー(米アカデミー賞)前哨戦のゴールデングローブ賞発表前に、イチ押し作品を見つけるのがコツ」と話す。

映画通が好む一本を上映

 独自の作品上映は映画ファンから高い支持を得ており、ビルを所有するフィットネスクラブ運営「RIZAP(ライザップ)グループ」(東京)のビル売却方針を残念がる声が相次ぐ。

 「大手シネコンでは上映しないニッチ(隙間)な映画を扱うのが魅力。閉館は本当に残念」と札幌市手稲区の男子大学生(22)は肩を落とす。同市清田区の会社員の女性も「映画館らしい雰囲気と趣があってお気に入りだった」。

 出版社「亜璃西(ありす)社」(札幌)代表で、札幌の文化に詳しい和田由美さんは「流行する映画ばかりがあふれ、選択の余地がなくなれば、札幌で文化が育たない」。映画の配給も手掛けるパルコ(東京)は「映画通が好む一本を上映してくれていたのに」と惜しむ。

移転のめど立たず

 札幌市内の映画館はピーク時の60年には53館あったとされる。スガイディノスは移転を模索しているが、めどは立っていない。

最終更新:3/25(月) 6:02
北海道新聞

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