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障がい児者が負っている性暴力を巡る3つの困難 刑法改正でも表面化しない罪とは

3/25(月) 9:01配信

Yahoo!ニュース

 性犯罪についての刑法の規定が2017年に改正された。被害者からの告訴がなくても検察が起訴できる「非親告罪」となり、法定刑を引き上げた。親による家庭内の性的虐待などを想定した処罰規定も新設された。1907(明治40)年の刑法制定以来、初めての大改正だったが、残された課題もある。その一つが、障がい児者の性暴力の問題だ。

 「障がい支援施設職員のわいせつ行為報道を見るたび怒りが込み上げます。障がいに付け込む行為は大いなる悪だと考えます」
 「親戚の産婦人科医院に、知的障がいがある中学生とその先生が来診。『性被害に遭い妊娠したので、人工流産に来た』とのこと。とても酷い話です」
 いずれも、オンライン署名サイトchange.orgで実施されている「なぜ障がい者が性暴力を経験しているの?刑法に『性犯罪被害者としての障がい者』の概念を盛り込みたい」に寄せられた声だ。

 障がい児者の性犯罪裁判を担当したことがある弁護士の杉浦ひとみさんは、障がい児者の「三重の負担」を指摘する。

日常生活に潜む性暴力を受けやすいリスク

 知的障がいがある場合、見知らぬ人にも、身近な人同様に、親しく接することがある。聴覚に障がいがある場合、背後から不審者が近寄ってきても、気づきにくい。下肢に障がいがある場合、杖や車いすで逃げるには、時間がかかる。障がいの特性は、性暴力を受けやすいリスクにつながる。
       ◇
 筆者の所属するNPO法人「しあわせなみだ」は、2018年3~4月に、障がい児者への性暴力に関する調査を実施した。その中で、発達障がいの当事者に「障がい児者が性暴力を受けやすい理由」について、インタビューした。
 「小さい頃よく言われる『誰ともで仲良くしなさい』という言葉を一生信じる感じで、『どんな人でも仲良くしなきゃいけない』と思う」「疎外感、孤独感を感じており、断りづらく、『相手の求めるものを出さなきゃ』になる」「何度もキャッチに騙される。まったく同じ方法では騙されなくなるが、ちょっと違う方法になると、また騙される」
 被害に遭うリスクと常に向き合っていることは、当事者の言葉からも裏付けられる。

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最終更新:5/9(木) 11:16
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