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A・ミッタルのイタリア・タラント製鉄所、原料ヤードに「ドーム」導入。環境対策も推進

3/25(月) 6:03配信

鉄鋼新聞

 アルセロール・ミッタル(AM)は、昨年11月に買収したイタリア高炉大手、イルバ(現AMイタリア)の再建状況を公表した。環境汚染を起こしていた旧イルバの問題施設閉鎖や人員削減など「100日プラン」での取り組みを示し、高炉を操業するタラント製鉄所の原料ヤードではドーム型の施設建設を始めたことを明らかにした。
 鉄鉱石や原料炭を保管する原料ヤードは露天型が一般的だが、2010年に韓国・現代製鉄が唐津製鉄所で画期的なドーム型の貯蔵庫を設け注目された。中国では宝武鋼鉄集団が広東省に新設した湛江製鉄所で導入していたが、欧州で原料ドームを設けるのは珍しい。
 原料ドームは風で原料が飛散しないため環境対策になるほか、雨で原料が冷えないため高炉の操業も安定しやすくなる。AMは年内にも鉄鉱石で、来年5月には原料炭でドームが完成するとしている。
 環境対策では問題となっていた微粉炭吹き込み(PCI)設備の閉鎖やコークス炉の解体を実行。今後は高炉スラグのヤード整備や第3高炉の解体などを進める。経営効率化ではイルバ時代に1万4千人だった従業員数を1万700人へと削減。従来は年間400万トン強だったタラントの粗鋼年産を今年は600万トンへと引き上げる。
 イタリアの地場メーカーというポジションを生かした内需の獲得にも力を注ぐ。タラントには研究開発拠点を新設し、イルバ時代に失った顧客の再開拓や自動車向けの参入を進める。買収時に掲げた計画通り、第5高炉の再稼働などで24年にも粗鋼年産800万トンへと増産を図る考えだ。
 旧イルバは高炉から薄板や溶接鋼管を造るタラント製鉄所のほか、酸洗・冷延や亜鉛めっき鋼板、ブリキを造るジェノバ工場、焼鈍冷延や表面処理鋼板、電気亜鉛めっき鋼板(EG)などを造るノーヴィ・リーグレ工場の3拠点がある。AMは欧州の独占禁止法をクリアするためチェコやルーマニアなどの高炉一貫製鉄所を手放し、欧州最大のタラント製鉄所を擁するイルバを買収していた。

最終更新:3/25(月) 6:03
鉄鋼新聞

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