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25億年前の日本最古の岩石発見 島根県津和野町で広島大の研究グループ

3/25(月) 13:01配信

北海道新聞

中国大陸に由来 日本列島形成史の解明に期待

 広島大学大学院の木村光佑研究員、早坂康隆准教授らの研究グループが、2017年に島根県津和野町の山林で採取した「花崗片麻岩(かこうへんまがん)」が年代測定の結果、日本最古の岩石となる25億年前の岩石だと分かった。これまで日本最古とされていたのは、岐阜県七宗(ひちそう)町で見つかった20億5千万年前の岩石で、4億5千万年さかのぼることになった。

 グループは25日、広島大で記者会見を開いた。早坂准教授は、岩石は古いだけではなく、少なくとも一部は中国大陸で形成されたとして、「運ばれてきた地殻の運動のメカニズムを探ることで、日本列島の成り立ちの解明にもつながる」と話している。

「舞鶴帯」で大規模な横ずれ断層の仮説を立て探索

 グループは、京都府から同町周辺まで続く地層の連なりの「舞鶴帯」で大規模な横ずれ断層の運動があったとの仮説を立てて、10年以上、調査を続け、岡山・広島両県で25億~18億年前の砂粒などを発見していた。木村研究員が2017年、津和野町の山林で花崗岩質の岩石数個を採取し、岩石に含まれる鉱物のジルコンの年代測定をしたところ、25億年前に花崗岩マグマが固まり、18億3千万年前に再加熱、変形される変成作用を受けていたと分かった。

東アジアの専門家らと研究を深める

 この岩石は、3億年~2億5千万年前の地層に挟み込まれていた。木村研究員は「18億年より古いジルコンが見つかったとき、北中国地塊(現在の中国北部と北朝鮮)で形成されたものと直感した」と話している。

 研究グループは2月に広島大で、韓国やベトナムの大陸地殻形成史の専門家らを招きシンポジウムと現地討論会を開いて議論。この岩石の成り立ちについて、ほぼ同意を得たものの、北中国地殻由来と断定するには、さらに情報が必要との認識でも一致した。早坂准教授は「東アジアの専門家とさらに議論を深めたい」と語っている。

七宗町は「日本最古の石が見つかった町」に誇り

 「日本最古の石」として七宗町の博物館に展示中の岩石は、堆積してできた上麻生礫岩(かみあそうれきがん)に含まれる礫(れき=小石)で、1970年に発見された。地層の年代としては、ほぼ1億6千万年前。96年に「日本最古の石博物館」が開設された。「日本最古の石が見つかった町だと町民は認識しています」と同町は話している。

 また島根県隠岐の島町の隠岐変成岩には、18億5千万年前の花崗片麻岩が含まれていて、岩石としてはこれが日本最古だったが、津和野町の岩石は、双方よりも古い。

 津和野町教育員会は郷土館に展示し、講演会を開くなど町おこしでの活用を検討中。「発見現場は民有地で、研究者らの視察には応じられるが、一般公開にはまだ調整が必要です」と話している。

北大での学会発表は胆振東部地震で中止に

 この研究成果は昨年9月、札幌の北海道大で開かれた地質学会で発表予定だったが、胆振東部地震の発生で中止になり、12月の茨城県つくば市での大会で発表された後、今年2月発行の「地質学雑誌」に掲載された。(メディア委員・高田純一)

北海道新聞社

最終更新:3/25(月) 13:01
北海道新聞

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