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ドラマの世界がリアルに? GPS運転補助トラクターなど精密農業の現在

3/25(月) 18:15配信

THE PAGE

 精密農業という言葉が近年注目されている。農業従事者の高齢化や後継者不足、さらに世界的な食糧需要の高まりで、農業者の勘と経験に頼るだけではなく、技術やデータに基づく効率的な農業生産が求められているからだ。国内では、人気ドラマ「下町ロケット」に描かれたようなハイテク農機の開発が多数の企業によって進められているほか、海外から日本市場に魅力を感じて参入する企業も多く、国内外から日本の精密農業が商機として注目されている。

●まっすぐ進む運転補助付きトラクター

 精密農業は世界各国でさまざまな定義があるが、技術やデータを用いて肥料や農薬、燃料などのコストを最小化しつつ収量を最大化し、食味の向上や労働負担の低減にもつなげる高度な営農手法だ。

 農機具メーカー大手のクボタ(大阪市)は2019年の年明け早々、さまざまな農業機械の展示会を京都で開き、精密農業に役立つトラクターや田植え機などの新製品を公開した。

 その目玉の一つ、運転補助機能付きのコンパクトトラクター(NB21GS)は、運転する人が細かい作業をしなくても、全地球測位システム(GPS)によるハンドルの自動制御でまっすぐ進むことができる小型のトラクターだ。凹凸のある畑や、ぬかるんだ水田でトラクターをまっすぐ運転するのは、これまでは熟練した技能を持たないと難しかったが、運転補助機能がついたこのトラクターは、簡単な操作で不慣れな運転者でも直進をキープして作業することができるという。

 GPS 農機はこれまで、大規模な組織経営体が使う大型機械というイメージが強かったが、小型化により、小規模な野菜農家や水田農家などが使いやすくなっている。クボタはこのほか、開発中の自動運転農機3種(トラクター、田植え機、刈り取り機)を公開。2020年までの市場投入を目指すという。省力化・精密化を期待する農家などからの期待は大きい。

●農薬などをドローンで効率的に散布へ

 一方、海外勢が日本の精密農業市場に期待して上陸してくるケースも近年目立っている。世界的な種子・製薬大手のバイエルと中国のドローン開発メーカーXAGが共同で、日本で農薬を精密散布する事業などに乗り出す。効率的な農薬や薬剤、肥料などの散布は日本の農業でも課題になっており、コスト削減の面からも効果は大きい。

 バイエルの日本での農業関連事業を担うバイエルクロップサイエンス(東京・千代田区)は水稲や、畑作、野菜や果樹の農薬の効果的な散布方法などでこれまで農業者を支援してきたほか、XAG(中国・広州) や日本支社のXAIRCRAFTJAPAN(兵庫県小野市)は日本での農業の自動化やIOTを使った日本農業の高度化を目指している。日本で協業することで、ドローンビジネスの推進や、農薬散布技術やデジタル農業の共同開発を行い、生産性向上を目指す日本の農業経営者のニーズに応えていく構えだ。

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最終更新:3/25(月) 18:15
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