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もっと日本語を勉強したい、でも生活費が足りず”労働力”に…留学生たちを取り巻く厳しい実態

3/25(月) 8:04配信

AbemaTIMES

 「自動車の学校に入りたいけど、日本語力が足りないので、東京福祉大学で一生懸命頑張りたい」。来月入学予定のネパール人留学生の男性が期待に胸をふくらませる一方、進学先の同大で約1400人の留学生が所在不明となっていることが報じられている。ここで言う「所在不明」とは、大学での活動実態が3か月以上ないことを指す文部科学省の基準だ。

 大学側によると、2018年度の留学生700人が所在不明で、2016年度からの3年間で約1400人の留学生が所在不明を理由に除籍処分になっているといい「留学生の親御さんの希望で日本に子供を留学させて勉強とアルバイトを期待している場合が多いようだ。母国に給料の良い仕事がないという背景がある」としている。また、来なくなった学生に対しては電話連絡や自宅訪問を実施、母国の親に連絡するといった対応もしてきたとして、「本学では本来なら大学合格が難しい、成績が悪かった学生をたくさん救ってきた。そのような救った学生に裏切られた形だ」ともコメントしている。

 一方、この3年間で留学生の受け入れを急激に増やしてきた影響からか、王子キャンパスでは教室が銭湯の2階にあることや、教員数や授業数が少ないという指摘もある。現役留学生からは「先生方はあんまり教えられない。私のクラス(授業は)週3回だから。もっと勉強したかった」(ネパール出身)、「(自分のクラスは)今は20人くらい。最初は30人。(10人くらいは)来なかった」(カンボジア出身)といった証言も聞かれた。

■非漢字圏の学生にとって難しい日本語習得

 留学生の受け入れ事情に詳しい東京工業大学の佐藤由利子准教授は「留学生はまず最初に日本語能力を身につけないと、進学や就職に続いていかない。そのための勉強とアルバイトのバランスがすごく難しい。特に非漢字圏の学生にとって、漢字はすごく難しく、日本語の習得にすごく時間がかかる。日本語学校は2年までしかいられないが、アルバイトをしているために日本語の勉強が十分にできない場合もあり、終了段階で大学に入れるくらいの日本語力がついていない人は行き先がない。そういう学生にとっては、この東京福祉大学の研究生制度のニーズはあったと思う。東京福祉大学の場合、大学に入れるくらいの日本語能力がついていない人が学部研究生として入り、足りない部分を勉強するという建前の制度だった」と話す。

 この「研究生制度」とは、学部進学希望者が1年間、日本語、日本文化などを学ぶもので、授業は週10時間以上の科目を選択履修する。学費は入学金10万円、授業料など52万8000円(一次出願者が一括納入の場合)だという。

 「ただ実際のところ、彼らを救うような教育内容が提供できていなかったのではないかと思う。ちゃんと勉強するということを前提に留学ビザを出しているということもあり、入管のチェックは厳しく、留年もできない。加えて学費がすごく重い。来日前に海外で払ってしまうので、日本のクーリングオフ制度など、消費者保護の対象外でもある。それだけに、きちんとした教育を提供してほしいという気持ちは日本人よりもよっぽど強いと思う。経済発展している中国出身の留学生は親からの仕送りが多い場合もあるが、非漢字圏のベトナムとかウズベキスタン、ネパールなどは元々所得水準が低く、仕送りも少ない。そのためにアルバイトで生活費や授業料を稼いでいる人が多い」。

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最終更新:3/25(月) 8:04
AbemaTIMES

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