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カメラレンズもアスペクト比も80年代と同じ。映画『バンブルビー』トラヴィス・ナイト監督インタビュー

3/25(月) 22:12配信

ギズモード・ジャパン

その昔、映像業界で働いていた私に上司が言いました。「ストップモーション・アニメーションを知っている人の作品は一味違う。その人がつける動きに叶うアニメーションはない」と。

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『トランスフォーマー』のはじまりの物語を描いたトラビス・ナイト監督の初実写映画『バンブルビー』は、当時の上司が言った通りの作品でした。本当に一味違う!

今回ギズモードは、監督のトラヴィス・ナイトにインタビューしてきました。トラヴィス・ナイトといえば、私が大好きなストップモーション・アニメーションスタジオ「ライカ」のCEOでアニメーター、『クボ 二本の弦の秘密』の監督です(実はナイキの会長の息子で自身もナイキの取締役でもある)!

というわけで、たくさんお話を伺ってきました!

アニメーション畑から初の実写映画へ

──初の実写作品となりましたが、監督の話が来た時にどう感じましたか?

トラヴィス・ナイト(以下トラヴィス):『クボ 二本の弦の秘密』を公開したら、いろんな人から声がかかるようになったんだ。『トランスフォーマー』の製作陣からも連絡があって、「『トランスフォーマー』の最新作で監督をやらないか」と打診されたんだよ。何かの間違いだと思ったね。だって、マイケル・ベイがやってた過去5作の『トランスフォーマー』シリーズは、僕のテイストとは全然違うだろう。でも、スタジオ側と話した時に、彼らがシリーズの方向性を変えたいと思っていることを聞いたんだ。僕の哲学を作品の中に入れることにも積極的な姿勢を見せてくれた。

僕は、素晴らしいアクションやカーチェイスは残しつつも、物語のコアな部分には「本物の感情」を入れたいと思った。彼らはそれに興味を示してくれたんだ。夢が叶った瞬間だったね、本当に。だって僕は子供の時からトランスフォーマーのキャラクターが大好きだったから。10歳の頃の自分が見たかったストーリーを銀幕で再現できるなんて素晴らしい機会をもらったと思ったよ。

だけど同時に凄く怖かった。だって、これまで 一度もそんなことはしたことがなかったんだから。興奮と恐怖が表裏一体だったよ。でも、作っている時はひたすら楽しかった。すべての瞬間を心から楽しんだよ。

──ストップ・モーション・アニメーターとしてのキャリアが今回の作品作りにどう影響しましたか

トラヴィス:すべてにおいてアニメーターとしての見方が役に立ったよ。中心となるふたりのキャラクターは、片方はヘイリー・スタインフェルド演じるチャーリーという生身の人間だけど、もう片方は0と1で構成されたデジタルなオブジェクトで存在しないんだから。作品の主役のひとりがアニメーションのキャラクターということで、アニメーターとしての感覚がバンブルビーに命を吹き込む上で重要だった。

僕にとって大切だったのは、観客がバンブルビーをVFXで作ったギラギラのキャラだと認識しないことだったんだ。観客には、バンブルビーを感情のある、頭で考えるクリーチャーと感じて欲しかった。痛み、悲しみ、喜びを感じるキャラクターだと思って欲しかったんだ。それを実現するのがアニメーターの力量だよ。

想像力と経験を駆使して、ほんの些細なディテールを動作に加えていくことで感情を再現しないといけなかった。ましてバンブルビーは自分の言葉で喋ることができない設定だから、姿勢や動きといったボディーランゲージや表情でコミュニケーションを取らないといけない。アニメーターは人間の動きや動きで表現する感情といったものを勉強して、バンブルビーというコンピューターで作られたクリーチャーに命を吹き込んだんだ。僕はこれをずっとやってきた。

この映画には僕にとっての初めてが山ほどあったけど、アニメーターとしての仕事は僕がずっとやってきたことだから、この映画のバンブルビーを生んだことに関しては心地よさを感じていたよ。

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