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トランプ大統領のツイート、朝鮮半島情勢の悪化防ぐ防火壁になるか

3/25(月) 12:18配信

ハンギョレ新聞

トランプ大統領、対北朝鮮追加制裁が発表された翌日に 「これ以上圧迫しない」北朝鮮に宥和メッセージ  米財務省の制裁発表後 ツイッターに「撤回を指示した」とブレーキ 膠着した北朝鮮・米国の交渉に“突発性の変動要因”に  ホワイトハウス「トランプ大統領、金正恩に好意持っている」 米政府、政策変更の状況に混乱 「今後発表する予定だった制裁は実行しないという意味」

 ドナルド・トランプ米大統領の「対北朝鮮追加制裁の撤回」ツイートが、第2回朝米首脳会談での合意が見送られた以降、硬直していた朝米交渉の雰囲気に“突発性の変動をもたらす要因”として浮上した。開城(ケソン)南北共同連絡事務所(共同事務所)からの北朝鮮人員の撤収など、南北関係にまで広がっている朝鮮半島情勢の悪化を食い止める防火壁となるか否かが注目される。

 トランプ大統領は22日(現地時間)、ツイッターへの書き込みを通じて、「北朝鮮に課された既存の制裁に加え、大規模の制裁が追加されると、財務省が今日発表した」とし、「私は今日そのような追加制裁の撤回を指示した」と明らかにした。

 トランプ大統領の言及は当初、財務省が前日の21日に北朝鮮の制裁回避を助けた疑いで中国海運会社2社を制裁対象に加えたことを、一日で覆すものと受け止められた。しかし、米政府関係者はトランプ大統領のツイートから数時間後、「21日に発表された制裁を取り消すわけではなく、今後発表する予定だった対北朝鮮制裁を行わないという意味」だと、マスコミに明らかにした。米政府レベルで、21日に続きさらに大きな規模の対北朝鮮制裁を用意していたが、トランプ大統領がこれにブレーキをかけたという説明だ。

 「さらなる対北朝鮮制裁はない」というトランプ大統領のツイートは、表面的には先月28日、彼がベトナム・ハノイで行われた首脳会談直後、記者会見で明らかにした内容の繰り返しだ。しかし、最近悪化している“ポスト・ハノイ”情勢の中では、少なくない意味を持つ。

 まず、時期の面で、トランプ大統領の今回の発言は朝米と南北関係ともに緊張が高まる時期に行われた。ハノイ首脳会談以降、米政府ではすべての大量破壊兵器(WMD)とミサイル放棄を制裁解除の先行条件として要求し、「ビッグ・ディール」を圧迫してきた。北朝鮮はチェ・ソンヒ外務次官の今月15日の記者会見で、米国との交渉中断の可能性を示唆し、開城(ケソン)共同事務所の人員を撤収するなど反発した。

 その間、トランプ大統領は、今月6~7日に東倉里(トンチャンリ)の西海(ソヘ)衛星発射場の動向と関連し「(発射準備が事実なら)非常に失望するだろう」と発言したことを除き、北朝鮮に対しては沈黙を守った。半月ぶりに行った北朝鮮に関連した言及が「追加制裁の撤回」だ。このため、トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長に「これ以上圧迫することはない」という宥和的メッセージを送ったものと見られている。

 チョ・ソンニョル前国家安保戦略研究院首席研究委員は24日、「事態の悪化を阻止する緊急処置の側面がある」とし、「トランプ大統領のツイートで、ただちに北朝鮮と米国が交渉に戻ることはないだろうが、足元の火を消すのが急務だった」と話した。政府筋も「米国内の対北朝鮮強硬ムードが高まることをトランプ大統領が抑えた」として、肯定的に評価した。

 トランプ大統領が「対北朝鮮追加制裁はしない」と改めて公言したことで、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)ら米政府内の強硬派も一定部分影響を受ける可能性がある。財務省の追加制裁を“歓迎”するツイートをしたボルトン補佐官は鼻白むほかないだろう。

 また、ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、トランプ大統領のツイートについて記者団に「トランプ大統領は金正恩(キム・ジョンウン)委員長に好意を持っており、このような制裁が必要とは考えていない」と説明した。トランプ大統領が金委員長と「トップダウン」(上から下へ)方式の対話の枠組みを維持する意向を、依然として強く固守しているものと見られる。

 カギは、北朝鮮がどう反応するかだ。チョ・ソンニョル前首席研究委員は「北朝鮮は『この程度ではだめだ』と(対米反発措置を)を進めるかもしれないし、トランプ大統領が名分を与えたため、時間をかけてじっくり考える可能性もある」と述べた。一方、北韓大学院大学のク・ガブ教授は「(北朝鮮の反応は)ないかもしれない」とし、「北朝鮮が反応するなら、今回のツイートにではなく、すでに施行中の制裁に関することになるだろう」とし、北朝鮮が大きく歓迎する可能性は相対的に低いと分析した。

 トランプ大統領は、政府の推進してきた政策を突然覆したことで、大きな混乱を招いた。特に、トランプ大統領のツイートの表現が曖昧で、ホワイトハウスや政府関係者ですら「どの制裁の撤回を指すのか」、「どのような政策的意味を持つのか」をめぐり混乱する様子だった。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:3/25(月) 12:18
ハンギョレ新聞

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