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北朝鮮の撤収、前環境部長官への令状請求…文大統領に訪れた“厳しい春”

3/25(月) 8:14配信

ハンギョレ新聞

開城共同事務所からの北朝鮮人員撤収の影響 南北協力を通じて情況の突破口見出す構想があったが 北朝鮮への特使派遣、略式首脳会談の開催も困難に 朝ロ密着など、南北関係の優先順位が下がる恐れも  キム前環境部長官、25日に令状審査・国会空転の負担 「ブラックリスト」関連で逮捕されれば、現政権の道徳性に打撃 公捜処の導入など改革法案の処理も難航 与野党の国政協議体の定例化も不透明に

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、先月末ハノイで開かれた第2回朝米首脳会談が物別れに終わった後、国内外の難関に直面している。米国と神経戦を繰り広げていた北朝鮮は、突然開城(ケソン)の南北共同連絡事務所(共同事務所)の人員を撤収させた。さらに、キム・ウンギョン前環境部長官には拘束令状が請求され、高級公職者犯罪捜査処(公捜処)や検察・警察捜査権の調整など、大統領府が力を入れてきた権力機関改革法案は、国会での合意すら不透明だ。

 北朝鮮は昨年22日、電撃的に開城の南北共同事務所の派遣人員を撤収させた。共同事務所は昨年4・27板門店宣言の合意を受け、同年9月14日から設置されており、24時間、南北の意思疎通の窓口の役割を果してきた。南北関係を、膠着状態に陥った朝米関係改善の牽引役にしようとした大統領府にとっては、頭を抱えざるを得ない状況だ。文大統領は昨年4日、国家安全保障会議(NSC)で「制裁の枠組みの中で、南北関係の発展を通じて、朝米対話に役立つ方策を最大限探してほしい。特に、板門店宣言と平壌共同宣言で合意した南北協力事業をスピーディーに推進してほしい」と述べた。17日、大統領府関係者も「私たちに渡されたバトンをいかに活用するかについて様々な案を検討している」とし、非武装地帯(DMZ)内の監視警戒所(GP)の撤収や共同遺骨発掘、漢江(ハンガン)河口の民間船舶の自由航行など、9・19南北軍事合意の履行を通じて南北関係を動かしていくという構想を明らかにした。

 しかし、北朝鮮側の人員撤収で、板門店宣言の合意まで揺れる状況になった。大統領府は、北朝鮮への特使派遣や板門店(パンムンジョム)での略式首脳会談を打診している様子だが、具体的な成果は表れていない。このような状況で、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の儀典を担当しているキム・チャンソン国務委員会部長がロシアを訪問し、金委員長のロシア訪問が差し迫ったという見通しが示されている。北朝鮮が中ロとの関係強化で、膠着局面の打開を模索すれば、南北の疎通は後回しにされかねないという懸念の声もあがっている。

 国内的には、キム・ウンギョン前環境部長官に対する拘束令状請求が“悪材料”だ。検察は「大統領府と環境部が前政権時に任命された環境部傘下機関の役員の辞任を促した」とし、キム前長官に職権乱用・権利行使の妨害などの疑いを適用した。大統領府は「キム前長官が一部傘下機関への監査を指示したのは、適法な監督権の行使」だとし、過去の政権のブラックリスト事件とは本質的に異なると述べてきた。しかし、キム前長官が25日に予定された拘束前被疑者尋問で拘束されれば、道徳性に打撃を受けるのは必至だ。

 国会の対峙状況も大統領府にとっては負担になる。ファン・ギョアン-ナ・ギョンウォン体制発足後、自由韓国党が極右強硬色を強め、与野党と政府の国政常設協議体の定例化は不透明になった。大統領府と国会は与野党協議会を四半期ごとに一回定例化することで合意したものの、昨年11月5日の初会議以降、日程を決められずにいる。大統領府関係者は「与野党と政府の協議体が定期的に開かれ回数が増えれば、拘束力を持つ対話、疎通の枠組みが定着するが、今の状況では難しいかもしれない」と述べた。大統領府が中核となる改革課題としている公捜処の設置や検察・警察の捜査権の調整も、国会通過に難航が予想される。両事案は、与野党間の選挙法ファスト・トラックの議論に巻き込まれ、公捜処に起訴権を与えるべきだと主張する共に民主党と、与えてはならないという正しい未来党が対立している。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:3/25(月) 12:18
ハンギョレ新聞

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