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14本を1+12+1に分けて考える フラット目線の宮里美香が選んだ1Wと3W【契約フリーから学ぶクラブ選び】

3/26(火) 19:31配信

ゴルフ情報ALBA.Net

年々クラブ契約をフリーにする選手が増えている国内女子ツアー。2018年には賞金女王のアン・ソンジュ(韓国)をはじめ賞金ランキングトップ5のうち3人が契約フリーという状態に。19年も大山志保、笠りつ子ら実力者たちがフリーとなり、様々なメーカーのクラブが入った14本で戦っている。

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多種多様なクラブを選べるのは我々アマチュアも同じこと。つまり彼女たちのセッティングを見ることで、アマチュアが選ぶべきクラブが見えてくるのではないか。ということで契約フリーの選手の14本を徹底調査した。今回は今季日本ツアーに初参戦する宮里美香のセッティングを紐解く。

【宮里美香2019年開幕時のセッティング】
1W:テーラーメイド M6 ドライバー 9.0度
(三菱ケミカル Diamana BF-60/X)
3W:キャロウェイ ローグ フェアウェイウッド
5W:キャロウェイ ローグ フェアウェイウッド
3UT:TourB XD-H 21度
4UT:TourB XD-H 24度
5I~PW:ミズノ ミズノプロ 518
W:タイトリスト ボーケイ SM6 51度
W:タイトリスト ボーケイ SM6 57度
PT:オデッセイ TriHOT ♯2
BALL:タイトリスト PRO V1

宮里は日本ツアーを経ずに2008年、19歳で受けた米国女子ツアーの予選会を突破。以降、アメリカを主戦場としながら10年、13年に「日本女子オープン」を優勝しただけでなく、12年には米国女子ツアー「セーフウェイ・クラシック」で日本人最年少(当時)となるツアー初優勝を成し遂げた。17年まで米ツアーで戦ってきたが、18年の出場権を獲得できず。18年に日本ツアーのQTを受験、19年からは国内を主戦場として戦う。

そんな宮里の19年開幕時のセッティングを、プロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏はこう見ている。

宮里さんは日本ツアー本格参戦初年度ということもあって自分のやり方を探りながらのスタート、という気がクラブからもします。ただ、『M6』のドライバーと『ローグ』のフェアウェイウッドから推測するに、かなり“やさしさ”を求め始めていますね。

もう一つ、彼女の14本を見て感じるのは、ティアップをして2打目をいい環境に持っていくクラブと、地べたからグリーンなり距離を稼ぐなりと打つクラブで分けて考えていること。彼女のセッティングの考え方は1(ドライバー)+12(ウッド、UT、アイアン、ウェッジ)+1(パター)。ドライバーとフェアウェイウッドのモデルを合わせる選手はプロでも多く見られますが、目的が違うっていう前提で揃えられていなければダメ。その辺りを踏まえた組み合わせと言えるでしょう。

例えば、ローグのフェアウェイウッドとTourB XD-Hというユーティリティに共通するのは“つかまりの良さ”。地べたから打つクラブ、とくにユーティリティはバンカーからも打ったりもするので、フェアウェイバンカーからショットをするのはプロゴルファーでもどうしてもつかまりが悪くなるんですね。いろんなところから打てる、つかまりのいいクラブを彼女は探しているな、というのが見て取れます。

ただ、ドライバーの場合は、つかまりが良すぎると、そのつかまりを技術で防ごうとして、逆に右のミスが出たり、あまりにもつかまりが悪いと技術があるから自分でつかまえにいって、結果的に真反対のボールを打っちゃうケースが多いんです。だから、別のモデルを選んでいる。シャフトでコントロールしないとM6のつかまり感とそれ以下のウッドつかまり感はフローしているとは感じないんですよ。だけど、この2つにはティアップと地べたからという大きな違いがあるので、そこで分けているんじゃないかな、と推測します。

彼女がウッド類に求めているのはメーカーに関係なく、“優しくて飛ぶ”クラブ。優しさと飛距離。一見、相反するものかもしれないですが、“いいとこどり”を探っているのが見えてきますね。今のクラブならその要望に応えられるものが見つかるはずです。そこが決まってくれば、アイアンが変わってくる。例えば常にいいところに置けるドライバーが見つかれば、セカンドは短いクラブで打ちたくなる。その時に飛び系アイアンにするのかどうか。宮里選手は上からセッティングを落とし込んでいくタイプといえます。

それができるのも、ショートゲームに関してはアメリカツアーをやってきた経験、引き出しでまとめられるからですよね。使い古されたウェッジがそれを物語っています。いいドライバーとロングホールを攻められるフェアウェイウッドと出会えることができれば、参戦初年度から期待していいと思いますよ。

解説・筒康博(つつ・やすひろ)/プロコーチ・フィッター・クラフトマンとして8万人以上のアドバイス経験を生かし、現在は最先端ギア研究所『PCMラボ』総合コーチ、インドアゴルフレンジKzヘッドティーチャーを務める。ALBA本誌ギア総研をはじめ様々なメディアでも活躍している。

(撮影:村上航)<ゴルフ情報ALBA.Net>

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