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なぜ「翔んで埼玉」はセーフで、「ちょうどいいブス」はアウトなのか

3/26(火) 8:09配信

ITmedia ビジネスオンライン

 最近、「自虐」を前面へ押し出すことで、世間の関心を集める、いわゆる「自虐マーケティング」が大盛り上がりしている。

【画像】「埼玉県人には草でも食わせておけ」の映画『翔んで埼玉』

 埼玉の自虐ネタをふんだんに盛り込んだ映画『翔んで埼玉』は興行収入25億円を突破、観客動員数も193万人に達するなど快進撃が続いているのは、ご存じの通りだ。

 また、あまりにぶっ飛んだ企画や広告を次々と仕掛けて、「どこいくねん、ひらパー」と自らツッコミを入れる、大阪府枚方市のテーマパーク「ひらかたパーク」の来園者は2年連続で120万人を超えている。

 そんな「ひらパー」の成功にあやかったのか、三重県志摩市の「志摩スペイン村」まで公式サイトで「自虐PR」を始めた。客が少ないことを逆手に「並ばないから乗り放題」、さらに園内にいるキャラクターについて、「どこぞの施設ではありえない2shotも取り放題!」というアピールが、SNSなどで「清々しい」「行ってみたくなった」と評価されている。

 という話を聞くと、「じゃあ、ウチもさっそくやってみよう」と思いたつマーケティング担当者も多いかもしれないが、気をつけていただきたいのは、この自虐マーケティングには決して踏んではいけない「地雷」があるということだ。

 それを理解せずに安易な自虐に走ってしまうと大火傷、最悪、世間からボコボコに叩かれて、謝罪に追い込まれてしまうこともある。

 では、そんな恐ろしい「地雷」とは何かというと、「女性」だ。女性をテーマにした自虐ネタや、SNSのキャンペーンなどは、かなりの確率で失敗しているのだ。

「#自社製品を自虐してみた」が話題に

 おいおい、そんな風に女性をトラブルの原因のように言うこと自体が女性差別じゃないか、というお叱りを受けるかもしれないが、あくまで事実を申し上げているに過ぎない。

 そして、これがジェンダーうんぬんのお話ではないことは、これまでの自虐マーケティングの歴史を振り返ってみれば、ご理解いただけるはずだ。

 実は広告やPRの世界では、自虐は最近のトレンドではなく、これまでも幾度となくブームとなり、多くの企業や自治体が自虐マーケティングを成功させてきた。

 古いところで言えば、有名なのはやはりセガの湯川専務シリーズだろう。「やっぱプレステの方が面白いよな」「セガなんてだっせーよな」という街の小学生の会話を聞いて、ショックを受けた湯川英一専務(本人)が酒場でヤケ酒をかっくらい、怖いお兄さんにボコボコにされる……というテレビCMは大きな話題を呼んだ。

 最近で注目を集めたのは、2017年にSNSでさまざまな企業の公式アカウントが参加した「#自社製品を自虐してみた」ではないだろうか。

 浅田飴、グリコ、ぺんてる、川商フーズ、などそうそうたる企業が、自社製品を自虐的にイジった画像を競い合うように投稿をしたのだ。例えば、セメダインは、製品写真とともに「セメダインでつくものは大抵ボンドでもつく」。ノザキのコンビーフは、「ぶっちゃけ肉より高い」というような調子で、普通の広告やCMでは決して口にしないような「自虐大喜利」が注目を集めたのである。

 もちろん、自虐は企業だけの専売特許ではない。中でも、自虐PR がもはや鉄板ネタとなっている世界もある。地方自治体である。

 例えば、07年に財政破綻した北海道の夕張市は翌年に「負債」と「夫妻」を引っ掛けて、「夫婦円満の街」を宣言して、「残ったものはメロンと負債(中略)金はないけど愛はある」なんてキャンペーンソングをつくって話題となった。

 また、12年には広島県が、宮島の厳島神社について、「修学旅行で行ったきりという人がほとんどでしょ?」。広島名物のお好み焼きも「店舗数日本一なのに、広島風と言われる……」など観光資源を自虐でイジる、「おしい!広島県」という観光プロモーションを展開して話題となった。

 ほかにも、「日本で47番目に有名な県」「島根は日本の領土です」などの自虐コピーを掲げた島根県、魅力度ランキングで最下位にもなったことを受け、「のびしろ日本一」などとうたう茨城県など、今や地方のPRには「自虐」は欠かせない。

 最近でも、昨年9月に起きた北海道胆振東部地震の影響で、観光客が減った十勝川温泉が、「元気ないです十勝川温泉」「ヒマ過ぎちゃって、サービス向上」という自虐広告をうって、「応援したい」と好評価を受けている。

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