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【新大関・貴景勝の心・技・体】〈中〉早い立ち合い目指し拳握らず

3/27(水) 8:03配信

スポーツ報知

 貴景勝の最大の強みは、低さを利用した強烈な突き押しだ。初優勝した昨年の九州場所から春場所までの34勝のうち押し出し、突き出し、押し倒しでの勝ちは6割超。大成しないと言われ続けてきた突き押し相撲で大関昇進を決め、角界の常識を覆し続けている。

 なぜ貴景勝の突き押しは強烈なのか。母校の埼玉栄高・山田道紀監督は言う。「相手を押す腕の角度がいい。肘が体の内側に入っているから、重い人を押し込める」。相手を突く時に脇を締めて手を突き出す。腕が一直線に伸びるため力が入りやすく、脇を締めることで相手にも差されない。理想の突き押しだという。

 体の特徴も挙げた。身長175センチ、体重169キロだが、「バランスがよくて、重心も低い。両手が使える器用さもある」。基礎となる筋力は、高校時代には既にベンチプレス200キロ、スクワットは300キロを上げていた。

 創意工夫も重ねた。相撲を始めた頃から体が小さかったことで、「何ができるのかなってのはずっと考えていた」と貴景勝。小学4~6年時、立ち合いで拳は握らず、両手の指先だけ地面につけていた。今では拳を握って立ち合いを構えた方がいいと理解しているが、幼き日の独特の構えを、「小さいから少しでも早く当たりたいという気持ちがあったのかな」と、振り返った。

 日頃から自分の感覚を大事にしているというが、感覚を磨くにはやはり稽古しかないという。「稽古で、この相手との距離感だと自分の力が出ない、この角度なら押せるとか。自分が一番、力が出るように持っていっている」。相撲界のジンクスは、新大関の進化によって打ち破られる。(大谷 翔太)

最終更新:4/11(木) 2:28
スポーツ報知

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