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【舛添要一の僭越ですが】4県知事選で自民が分裂選挙、弱体野党を反映

3/26(火) 12:06配信

ニュースソクラ

知事選告示、統一地方選挙始まる

 2019年、「亥年:選挙の年」が、幕を開けた。11道府県知事選挙の告示が21日、24日には6政令市長選が告示された。29日には41道府県議選と17政令市議選が告示される。投票日は、いずれも4月7日である。

 後半戦は、4月21日の投票であるが、4月14日には一般市の市長選・市議選と東京都の区長選・区議選が、16日には町村長選と町村議選が告示される。

 また、地方選挙ではないが、衆議院の補欠選挙が、大阪12区と沖縄3区で行われる。4月9日告示、21日投票である。

 まず、知事選については、4県で保守分裂選挙となる。また、大阪では都構想を巡って、知事と市長の「出直しクロス選」が行われる。

 自民の組織が分裂選挙を行う県は、福井、島根、徳島、福岡である。

 福井県では、自民党は元総務官僚で新人の杉本達治氏(56)を推薦するが、一部の自民党県議は5選を目指す現職の西川一誠氏(74)を支援している。

 「竹下・青木王国」の島根県では、溝口善兵衛知事の引退に伴い、後任候補として、党本部、青木幹雄元官房長官、竹下亘前総務会長らは元総務省消防庁次長の大庭誠司氏(59)を支持する。しかし、県議22人のうち6割の14人が元総務省室長の丸山達也氏(48)を支援している。自民系では、前安来市長の島田二郎氏(65)も立候補する。

 徳島県では、自民県連が、5期目を目指す現職の飯泉嘉門氏(58)を推薦する一方で、県議で新人の岸本泰治氏(61)を後藤田正純代議士が支援している。

 福岡県では、自民党本部が元厚生労働官僚の武内和久氏(47)の推薦を決めたのに対して、同県出身の衆院議員11人のうち6人が3期目を目指す現職の小川洋氏(69)を支援している。小川氏は、麻生事務大臣の総理時代の内閣広報官で、その縁で知事に就任したのであるが、2016年の衆院福岡6区補選で2人は袂を分かっている。古賀誠元幹事長、山崎拓元副総裁、そして公明党県本部は小川氏の支援に回っている。いわば「麻生包囲網」が形成されているようである。

 このような自民党分裂状態の背景には、野党の弱体化がある。野党候補が勝つことはないという安心感が、自民党内での争いを生んでいるのである。どちらが勝っても、勝つのは自民党という「ゆとり」の表れだと言ってもよい。

 それに対して、全国で唯一、与野党対決となっているのが北海道である。与党は元夕張市長の鈴木直道氏(38)を、野党は元衆議院議員の石川知裕氏(45)を推している。この選挙の結果は、国政にも大きな影響を与える。

 大阪府知事と大阪市長のダブル選挙については、大阪維新の会は、松井一郎知事(55)を市長選に、吉村洋文市長(43)を知事選に出馬させる。これに対して、自民党からは、府知事選に小西禎一元府副知事(64)が、市長選に柳本顕前大阪市議(45)が立候補する。公明党も、自民党候補を支援するし、立憲民主、国民民主、共産党は自らの候補を擁立せず、自民党候補を応援するようである。都構想を掲げる維新に対する包囲網である。

 出直しクロス選という奇策も含めて、大阪の有権者の審判が待たれるが、憲法改正実現のために維新の支援が欲しい官邸は、維新と蜜月関係にあり、大阪のダブル選挙は官邸と自民党との関係にも微妙な影響を及ぼしかねない。

 最後に、大阪12区と沖縄3区の衆議院の補欠選挙は、与野党とも、夏の参議院選挙の前哨戦と位置づけており、激戦が予想される。沖縄で自民党が劣勢に立っている中で、下手をすれば自民党2敗となる危険性がある。

 大阪12区では、自民党は故北川知克元環境副大臣のおいで会社役員の北川晋平氏(31)を公認したが、元民主党代議士で希望の党比例当選の樽床伸二元総務大臣(59)が無所属で立候補する。維新も新人の藤田文武氏(38)を擁立する。大阪府議選で、衆院12区の大票田である寝屋川市選挙区(定数2)では、維新と公明が候補者をだすが、自民は候補者を立てない決定をした。その結果、自民党は衆院補選での公明党の協力を獲得し、大阪12区での敗退の可能性を減らすことができている。

 この公明党とのバーターによって、補選2敗は免れ、少なくとも「1勝1敗」は確保しようという自民党の目論見である。

 沖縄3区補選は、玉城デニー知事の衆議院議員失職によって行われるが、自民党は島尻安伊子元沖縄北方担当大臣(54)を公認し、公明党も推薦を出している。玉城氏が所属した自由党はフリージャーナリストの屋良朝博氏(56)を無所属で立てるが、野党も支援する。辺野古移設賛否をめぐり、まさに与野党の対決であるが、自民党にとっては容易に勝利出来る選挙ではあるまい。

 統一地方選、そして衆院の二つの補選は、夏の参議院選挙を占う大事な選挙となるであろう。最大のポイントは、参院選で野党が協力、団結できるかということである。最近の世論調査を見ると、政党支持率では自民党が35%前後、立憲民主党が5~9%、無党派が約40%で推移している。最大は無党派層であり、野党は、この層の支持を獲得する必要がある。自民党分裂選挙、安倍4選論など、自民党は日本に野党が存在しないように振る舞っている。野党は猛省し、魅力的な政策を掲げて亥年の戦場に出るべきである。

舛添 要一 (国際政治学者)

最終更新:3/26(火) 12:06
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