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歌舞伎町の生きる伝説『新宿タイガー』はなぜ我々を魅了するのか

3/26(火) 19:02配信

dmenu映画

初めて“新宿タイガー”に遭遇したのはいつのことだったか。暇な時間がたっぷりあって名画座で2本立て上映を観まくっていた頃だから、恐らく自分は高校生か専門学校生。ということは、もう40年近くも前になる。

今も昔も、新宿を颯爽と駆け抜ける街のシンボル

初めて遭遇したときにどう思ったかは覚えてないが、そりゃまあギョッとはしただろう。けど、名画座に行くとわりと頻繁にお見かけするようになり、そのうち「あ、観にきてらっしゃるんだな」と、同じ劇場で同じ映画を観ている状態を嬉しく思うようにもなった。

自分の隣の席に座られて、妙にドギマギしたこともある。暗くなって映画が始まるとタイガーはお面を外していたが、もちろん顔を覗き込むような失礼なことはせず、話しかけたことも一度もなかった。

あの頃からもう何年も経って、よく行っていた名画座の多くがなくなったり、改装してこぎれいになってしまったりした。街の風景も大きく変わった。日本は世界のどの国よりも街の風景が短期間で容赦なく変わっていくところだが、風景と共にいろんなものがどんどん変わっていくなかで、変わらずにいたのが新宿タイガーだ。

時代に応じてスタイルがアップデートされる……なんてことはない。たぶん身につけているぬいぐるみの数が少し増えていることと、花の種類が季節によって少し変わることぐらいだろう。

今でも新宿に行けばときどきお見かけする。歩くスピードが速く、新宿の街を駆け抜けるように颯爽と動いている。なぜだかホッとする。本来異端で、初めて見た人は「え?」となる存在であるはずなのに、変わっていく街を変わらないカッコとスピードで駆け抜けるタイガーに遭遇すると、不思議とホッとする。

新宿タイガーの謎に迫るドキュメンタリーが登場

ところで新宿タイガーは、いつから、どうして、新宿タイガーになったのだろう。一体どんな人なのだろう。昔はそんなことをチラと考えたことがあった気がするが、最早タイガーがあのカッコで街のどこかにいるのは当たり前のことであり、そういうことを考えなくなっていた。

『新宿タイガー』。ズバリのタイトルで、新宿タイガーのドキュメンタリー映画が公開される。昨年末に特報を観て、そこで改めて先の疑問が数十年ぶりに頭をもたげた。公開がとても楽しみだ。──と、ここまではこの作品を観る前に書いた文章である。

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最終更新:3/26(火) 19:02
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