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日本初の全豪テニスで公式ボールサプライヤーをつとめた、国産タイヤメーカー。 153億円で手にしたダンロップブランドを武器に何を目指すのか!?

3/27(水) 7:02配信

VICTORY

2019年1月に、テニス4大メジャーであるグランドスラムの初戦・オーストラリアンオープン(以下全豪)で、大坂なおみが、日本人初の女子シングルス優勝者になり、同時にアジア人初の世界ナンバーワンになった偉業の一方で、ある日本企業は、全豪そしてグランドスラムで初めての功績を残していた。

住友ゴム工業株式会社が、全豪初の公式ボールサプライヤーを務め、グランドスラムで初めてテニスボールを供給したのだ。日本企業として初の供給について、住友ゴム工業のテニスビジネス部 販売企画グループの鈴掛彰悟氏は、次のように語っている。
「すごく誇りに感じました。大会が盛り上がることや全豪の地位向上に向けて、大会と一緒に手を携えていきたい」

2018年8月に、住友ゴム工業は、全豪オフィシャルスポンサー契約を発表し、8月25日に正式契約を締結した。2019年大会から5年間公式ボールサプライヤーとしてテニスボールを供給していく。

全豪では、長らくアメリカの有名メーカーであるウィルソンからボールを供給されていたが、鈴掛氏によれば、「2017年末頃に、テニスオーストラリア協会からお話があった」という。それからサンプルボールをオーストラリアへいくつか送って、テストしてもらうというやりとりが何度か続いた。
ダンロップのテニスボールは、ITF(国際テニス連盟)の定める基準におさまるように作られており、耐久性、バウンドの一定性などに優れ、テニスオーストラリアCEOで、全豪トーナメントディレクターであるクレッグ・ティレイ氏は、「ダンロップの品質管理の精緻さに、すごく感銘を受けました」とコメントしたほどだった。

また、全豪には、アジア・パシフィックグランドスラムという別称があり、他のグランドスラムよりアジアへのつながりが一番強い。
現在のプロテニスツアー全体では、日本や中国や韓国などのアジア選手が、トッププロで活躍しているものの、欧米と比べるとその選手の数はまだまだ少ない。

だからこそ競技ではない側面から、アジアの会社が、アジアの工場で作ったテニスボールを全豪に供給し、アジア・パシフィックグランドスラムに一企業として貢献することの意味が、住友ゴム工業にとって非常に大切だった。

オフィシャルに決まったダンロップのボールは、2019年1月第1週から開幕した男子ATPおよび女子WTAの前哨戦の全大会、いわゆる“オーストラリアンオープンシリーズ”で使用され、シリーズ全体で約18万個のテニスボールが用意された。そのうち全豪(1月14~27日)では、およそ5万4000個が使用された。

もともとダンロップは、1888年にイギリスで誕生したゴムとタイヤの伝統ブランドだが、住友ゴム工業が、2017年4月に、イギリスのスポーツダイレクトインターナショナル社から、海外のダンロップ商標権とダンロップブランドのスポーツ用品事業およびライセンス事業を153億円で買収した。
「以前ダンロップブランドでは、日本、韓国、台湾とかでしか販売できていなかったが、世界中で販売できる権利を取得しました」
高額な買収だったが、それだけの金額に見合う価値があると考え、そして、この買収には長期的かつ戦略的な狙いが、住友ゴム工業にあった。

「主要事業にタイヤがありますが、“タイヤのダンロップ”をもっと推し進めていくうえで、テニスはすごく魅力的な媒体でした。世界でのテニスファンや視聴者の数は、だいたい10億人いると言われています。さらに、テニスが好きな人の多くには、一般レベルより趣味にお金をつぎこめる収入の高い割合が多い。タイヤは、スポーツグッズに比べて高収入、高利益。そこでつくったお金をテニスに投入して、テニスを全体の広告媒体としてうまく活用していく目的がありました。」

テニスは、日本では錦織圭と大坂なおみの認知度が高いものの、野球やサッカーと比べると、まだまだマイナーなスポーツだ。
だが、世界的には人気が高く、サッカーに次ぐぐらい人気の高い競技。そんなワールドスポーツという特性が高いテニスは、現在世界でのシェアが6番目のダンロップタイヤにとって、他社と差別化するための有効なツールになり得る。

実は、ダンロップのみならず、他のタイヤメーカーも、あの手この手で売上アップのために試行錯誤をしている。例えば、横浜ゴムは、チェルシーFC(イギリスサッカー・プレミアリーグ)と、東洋ゴム工業は、ACミラン(イタリアサッカー・セリエA)とそれぞれ手を組み、サッカーチームのスポンサーをしながらシェア拡大を狙っている。

住友ゴム工業は、日本、アジア、中東、アフリカ、ロシアで、ダンロップタイヤを販売できるが、ヨーロッパやアメリカでは販売権を持っていない。そのためファルケンブランドのタイヤを展開している社内事情もあるため、ダンロップタイヤだけでなく、ファルケンタイヤにとっても、シェア拡大のために、テニスをとおしてのさらなるブランド確立は、重要なマーケティング戦略になってくる。
そして、スポーツ事業だけを展開している他メーカーとは異なり、他分野からの投資を活用して相乗効果を狙いつつ、より大きなシナジーが生まれることを期待している。

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最終更新:3/27(水) 7:02
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