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無断でダウンロードしたデータでもAI開発に使える? 改正著作権法を弁護士が解説

3/29(金) 11:40配信

@IT

 深層学習の登場により、「音声認識」や「画像認識」にAIモデルを活用してサービスを提供する企業が増えてきた。

【画像:Webで収集したデータを基に作成した学習用データセットを公開、販売できる】

 AIモデルを開発するには、大量のデータを用意してAIモデルに学習させ、目標の精度が出るかどうかAIモデルを評価する必要がある。しかし、「大量のデータを用意するのに時間がかかる」「AIモデルの精度が低くサービスに適用できない」など、サービスを開発、提供する前から壁が立ちはだかるケースが少なくない。

 理由はさまざまだが、頓挫するAI開発プロジェクトが少なくない中で、AIモデルを活用してサービスを展開する企業は、どのように大量のデータを用意したり、AIモデルの精度を高めたりしているのだろうか?

 本連載「“おいしいデータ”で、成果が出るAIモデルを育てる」では、各社のモデル開発事例や活用事例を通じて、エンジニアがデータやAIにどう向き合っていけばAIモデルを活用したサービスを提供できるのか、ヒントを探っていく。

 AIモデルを開発する企業の開発事例や活用事例について触れる前に、第1回の本記事では、データを収集したり、AIモデルを開発したりする際に関連する法律の動向や注意点を押さえておく。2019年3月6日に開催された自動翻訳シンポジウムで弁護士法人STORIAの柿沼太一氏が講演した内容を要約してお伝えする。

2019年1月1日に施行された「改正著作権法」はAIモデル開発にとって重要

 柿沼氏は、AIモデル開発と密接に関わっている著作権法について、2019年1月1日に施行された「改正著作権法」と併せて説明した。

 「著作権法が対象としている『著作権』とは、複製権や上映権、公衆送信権など複数の権利が『束』になったものと理解するのがよい。一方、著作権法には著作権者の権利を制限し、著作権者の許諾なく著作物を利用できる『権利制限規定』がある。例えば『私的使用のための複製』や『引用』は、権利制限規定の一種であり、著作者の許諾なく行える。2019年1月1日に施行された改正著作権法では、AIモデル開発をさらに加速する重要な改正が行われた」

 柿沼氏が重要視するのは「著作権法第三十条の四」だ。この条文により「情報解析」を目的とする場合は、著作権者の利益を不当に害しない場合において、方法を問わず、著作物を利用できる(著作権法第三十条の四第二号)。

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最終更新:3/29(金) 11:40
@IT

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