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麻酔薬がトラウマ治療の助けに? 記憶強度弱められる可能性 研究

3/30(土) 10:07配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
 麻酔薬が、トラウマ(心の傷)になるような記憶を忘れる助けになるかもしれない。麻酔薬で記憶強度を弱められる可能性があることが臨床実験で証明されたとの研究論文が、米科学誌サイエンス・アドバンシズで発表された。

 手術での麻酔薬の使用が記憶に影響を与える可能性があることは、すでに知られている。そこで研究チームは、記憶形成の極めて重要な時期に麻酔薬を使用することで、精神的負担となる過去の出来事に関する記憶を取り除けるか、実験を行った。

 実験では、被検者50人に二つのスライドショーを見せた。どちらも心を乱すような内容だ。1週間後、被検者に二つ目のスライドショーの1枚を思い出させた後、麻酔薬「プロポフォール」を静脈注射により投与。被検者は平均12分間、鎮静状態になった。

 24時間後、被検者に二つ目のスライドショーの内容を思い出すよう指示ところ、詳細を思い出すのに苦心した。一方で、一つ目のスライドショーの内容を思い出すことはできた。

 ストレス関連の疾患は多くの場合、トラウマになるような経験の鮮明な記憶が関係している。研究チームは、記憶想起と麻酔薬を組み合わせ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような疾患の治療法を開発できるのではと期待している。

 研究の共著者、スペイン・マドリード工科大学のブライアン・ストレンジ氏はサイエンス・アドバンシズで、「深い鎮静状態が心を乱す記憶の再固定化を抑えられるかについて、50人を対象に試験した」と記述。「記憶想起の後に麻酔薬プロポフォールを投与したことで、記憶が阻害された。一方、記憶想起を行わなかったスライドショーについては、影響はなかった」「プロポフォールが阻害したのは、麻酔薬投与から24時間後の記憶だった」と説明している。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:3/30(土) 10:07
The Telegraph

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