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15年を経て日本初公開、特別コメントが到着!エドガー・ライトがいま『ショーン・オブ・ザ・デッド』に思うこと

3/30(土) 19:30配信

Movie Walker

『ベイビー・ドライバー』(17)のエドガー・ライト監督による2004年製作の長編デビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』が、3月29日より、日本で初めて劇場公開されている。そう、ちょっと意外な気もするが、本作は実は“劇場未公開”だったのだ。

【写真を見る】なんと15年前!?『ショーン・オブ・ザ・デッド』撮影当時のライト監督

ジョージ・A・ロメロのゾンビ映画にありったけの愛を捧げた傑作コメディが、15年の時を経て、ようやく映画館の大スクリーンで楽しめる――映画ファンにとってなんともうれしいこのニュースに、ライト監督は「ついに日本公開されると聞いてワクワクしてるよ。僕は日本のジャンル映画の大ファンだし、自分の作品のPRで行った時はいつも最高の時間を過ごしているからね」と喜びのコメントを寄せてくれた。

いまや人気監督として順調にキャリアを築いているライト監督。その原点とも言える本作を見直して、「いま考えるともっとこうしておけばよかった」と思うところはあるのだろうか?

「僕は本作をとても誇りに思っている。特に、大スクリーンでサイモン(・ペッグ)とニック(・フロスト)の友情が観られることに、ね。加えて、ロンドン北部での当時の自身の生活について、正確な描写がなされているんだ。だから僕にとっては、とてもパーソナルかつノスタルジックな作品でね。なにか一つ変えたいとすれば…当時、予算的余裕がなかったので実現しなかった“ウィンチェスターが炎に包まれる”描写をやってみたいかな。それ以外はとても満足しているよ」

『ショーン~』の成功における最も大きな変化は、「僕にとって世界が“小さく”なったこと」とライト監督は語る。

「『ショーン~』や次作『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』と一緒に世界を周れてとても幸せだったし、それらのおかげで多くの僕のヒーローに会えた。海外でより規模の大きい作品をつくるための扉も開いてくれた。僕の人生を変えてくれた作品だよ」

本作が『ゾンビ』(78)の巨匠ジョージ・A・ロメロに絶賛されたことは、映画ファンには有名な話だ。「ロメロは完成直後に映画を観てくれた。彼に観てほしいとお願いしたんだけど、とてもナーバスな気分になったよ。でも、彼はとても好きだと言ってくれて、最高の気分だった。その後、彼は公式コメントもくれて、『ランド・オブ・ザ・デッド』にカメオ出演までさせてくれたんだ」

ライト監督は盟友サイモン・ペッグと共に、憧れのロメロ監督作『ランド~』に出演。役どころは、「ゾンビと一緒に写真を撮ろう」と看板が掲げられた見せ物小屋の、鎖につながれたゾンビだ。撮影現場でのエピソードがまたイカしている。「僕らの出演シーンで、カットがかかったあと、彼はある女優に対してアレコレ注文をつけていたんだが、僕とサイモンにはこう言ってくれたんだ…『さすが、君たちはわかってるね』と!」

ちなみに、『ショーン~』には『From Dusk Till Shaun』なる続編の構想があったとも…。「あれはけっしてマジメな話ではなくてね。仲間内のジョークのようなものさ。登場人物は愛すべきキャラクターたちではあるけど、『ショーン~』はすでに完璧な結末になっていると思っているし、もうこれ以上語るべきことはないと思う」

いま、改めて“好きなゾンビ映画3本”を聞いてみたところ、ロメロの偉大なる傑作2作『ゾンビ』『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は当然として、最近のお気に入りとして、韓国発の列車×ゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)の名があがった。「電車の上で、うまくゾンビ映画のルールに則っているのがすばらしい」と、その独自性を評価する。

「さらにもうひとつ」と、“ボーナス”として付け加えてくれたのが、『ワイルドゼロ』(00)。「日本の伝説的ロックバンド、ギターウルフがゾンビと戦うんだ。愛さずにはいられないだろ?」とのこと。さすが、音楽にも造詣の深いライト監督ならではのチョイスである。

最後に、アニヤ・テイラー・ジョイ主演の次回作『Last Night in Soho』についても質問してみた。ライト監督はこれまで、ゾンビ映画、ポリス・アクション、宇宙人侵略SF、ゲーム、ウォルター・ヒル映画など、一作ごとに違うテーマで過去の名作にオマージュを捧げてきたが、今回も特定のジャンルへのラブレター的作品になるのだろうか。

「『Soho』は心理スリラーで、カテゴリーとしてはホラー映画になるかな。僕がこれまで影響を受けてきたいろんなもの…60年代ロンドン、音楽、ファッションに触れたものになるよ」

聞くところによると、ニコラス・ローグ監督の『赤い影』(73)や、ロマン・ポランスキー監督の『反撥』(65)にインスパイアされた作品になるようだが…いずれにせよ、いまから完成が楽しみな一本だ。

そして、「その次の作品は、うまく事が進めば『ベイビー・ドライバー』の続編になる」らしい。さらに、「サイモン&ニックとも、また一緒に映画を撮りたいと思っている」とも明かしてくれた。「そのためにはまず、3人が興奮できる脚本を書かなきゃ、だね」――稀代の映画オタクにして唯一無二の鬼才エドガー・ライトはこれからも、あふれる映画愛と突出した映像センス&語り口で、我々映画ファンを存分に楽しませてくれそうだ。(Movie Walker・取材・文/編集部)

最終更新:4/2(火) 13:30
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