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中国で広がるネット金融 過度な消費性向で借金苦に陥る若者たち

3/31(日) 18:25配信

東方新報

【東方新報】「私はゆとりのある生活から貧困に至るまでの過程を実感した」

 中国の段茜(Duan Xi)さん(25)は昨夏、残業が多いが給料は高めの会社を退職した。新しい就職先を探す前に自分へのご褒美として、最新のスマホや化粧品を買い、ボーイフレンドの勤務先の近くへ引っ越し、秋田犬も飼うことにした。

 ところがある日、数千元(訳注:千元は約1万6000円)しかお金が残っていないことに気付いた。やむを得ず、クレジットカードを2枚作って4万元(約65万円)、さらにネット金融2社からも5万元(約82万円)を借りた。毎月の返済利息は雪だるま式に1500元(約2万5000円)にまで膨らんだ。段さんは「あの頃は金銭感覚がまひしていた」と振り返る。

 人材情報会社の智聯招聘(zhaopin.com)が発表した「2018年ホワイトカラー満足度指数調査報告」では、借金を抱える人が21.89%おり、預金残高が1万~3万元(約16万~49万円)しか無い人も20.15%だった。

 北京融世紀信息技術(Rong360)の調査では、53%の大学生が自身の支払い能力を超える分をローンに頼っているという結果が出た。多くの若者がネット金融利用で「消費が先、支払いは後で」を享受している。

 ■消費者金融は誘惑多い 若者は消費を控えよ

 ネット金融の返済に苦労した大学生の高梓豪(Gao Zihao)さんは、「ネット金融を使い始めると、過度な消費をするだけでなく、消費に対する感覚そのものが変わる。それに、宣伝を見ているうちに、お金を使えば自分の趣味や夢が実現できるかのような思いになる」と回想する。

 若い世代を狙ったネット金融は、この数年で猛烈に伸びた。中商産業研究院(Zhongshang Chanye Yanjiuyuan)の「18~23年中国インターネット消費者金融業界市場展望と投資機会研究報告」では、17年のネット金融の取引規模は30兆元(約491兆円)を超え、対前年比の伸び率は33%だった。18年は40兆8000億元(約668兆円)に達し、伸び率は19%になると予測している。

 中国人民大学(Renmin University of China)の劉俊海(Liu Junhai)教授は、若者の過度な消費のまん延が、個人、家庭や社会にとってリスクになるほか、養老年金体制にもリスクをもたらすと考える。

 螞蟻金融服務(アントフィナンシャル、Ant Financial)と富達国際(Fidelity International)が共同発表した「18年中国養老体制調査」では、35歳以下の若者の56%はまだ老後資金の貯蓄を始めておらず、一部の若者は貯蓄ゼロや高額負債を負っている状態だった。

 劉教授は、「ネット金融業界は若者を過度な消費に誘うような行為を慎むべきだ。さもないと商業倫理や法規にも違反し、消費者金融業界にも悪影響を及ぼしてしまう」と警告する。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:3/31(日) 18:25
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