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「平成おじさん」の死の遠因 心房細動はどう治療する?

4/2(火) 12:10配信

Medical Note

◇甘く見てはいけない「心房細動」【治療編】

間もなく平成が終わり「令和」に元号が変わろうとしています。思い返せば30年前、墨書きの色紙を掲げ「新しい元号は『平成』であります」と発表したのが、当時竹下登内閣の官房長官だった小渕恵三さんでした。この発表の印象が強く「平成おじさん」として知られるようになり、その後首相に就任した小渕さんですが、任期半ばにして脳梗塞(こうそく)で倒れ、62歳という若さでそのまま帰らぬ人になってしまいました。小渕さんを襲った脳梗塞には心房細動という病気がかかわっていたとされています。心臓と脳。ずいぶん離れた位置にある2つの臓器の病気には、どのような関連があるのでしょうか。そして、心房細動と分かった時にはどんな治療を受ければいいでしょうか。【東邦大学医学部内科学講座循環器内科学分野教授・池田隆徳/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇長嶋さんもオシムさんも

小渕さんの命を奪ったのは「心原性脳梗塞」。心房細動が起こると、心房の中を流れる血液のスピードが低下してうまく流れなくなり、それが原因で血栓(血の塊)ができやすい状態になってしまいます。その血栓が心臓から出てゆき、脳の血管に詰まる(脳塞栓)ことがあるのです。ミスター・プロ野球こと長嶋茂雄さんや、サッカー日本代表元監督のイビチャ・オシムさんもこのタイプの脳梗塞とみられています。お2人は、その後の努力で現場に復帰されましたが、同じ病気になった患者さんは半身不随で寝たきりになるケースも多いのです。

心房細動で脳塞栓症をきたしやすい患者さんをある程度推察することができます。それに活用されているのがCHADS2(チャッズ・ツー)スコアと呼ばれる指標です。各危険因子の英語名の頭文字を並べたもので、S(Stroke/TIA:脳塞栓/一過性脳虚血発作の既往)を2点、その他のCHAD(Congestive heart failure:心不全、Hypertension:高血圧、Age:年齢≧75歳、Diabetes mellitus:糖尿病)を各1点とします。合計点が高いほど脳梗塞の危険性も高いと考えられます。

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最終更新:4/2(火) 12:35
Medical Note

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