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【3】MR(Mixed Reality)コンテンツの“懐かしい未来“感で、人の心を刺激する。最新技術で拡張される、未来の視聴体験

4/2(火) 15:39配信

SENSORS

拡張される未来の視聴体験」をテーマに行われたSENSORSサロン。ゲストに迎えたのは、須田和博氏(株式会社博報堂)と、藤井彩人氏(日本テレビ放送網株式会社)だ。

全3回にわたってお届けする最終回の前半では、藤井氏の信念「分かりやすい・効果的・特徴的のすへ゛てを満たせ!」をもとに、トークが展開。長年に渡り、テレビ番組に関わるデザインを手がけてきた藤井氏が、大勢の人に好まれるデザインのあり方を明かす。須田氏は「テレビ業界も広告業界も、情報を分かりやすく伝えることが得意」だと話し、メディア業界におけるMR活用に期待を寄せた。

後半は、須田氏が「さっぽろ雪まつり」で手がけたARコンテンツを紹介しながら、屋外でのAR活用の効果を説明した。雪まつり版の初音ミクこと「雪ミク」のARライブを鑑賞した落合は「懐かしい未来感がある」と絶賛。さらに多くの人間の心を動かす「ノスタルジー」についても議論が展開。最新技術でノスタルジーを引き起こす、次世代メディアのあり方を探る。

ハイコンテクストに語られがちなMRの技術は、テレビをどう変えるのか。ゲスト、MC の議論には、そのヒントが隠されていた。

テレビ業界の使命は、難しいテクノロジーを分かりやすくすること

草野絵美(以下、草野):続いては、藤井さんの信念「分かりやすい・効果的・特徴的のすへ゛てを満たせ!」について伺っていきたいと思います。

藤井彩人氏(以下、藤井):テレビ番組に関するデザインをずっとやらせていただいているのですが、これまでずっと「多くの人に受け入れられる“いいデザイン“ってなんだろう」と考えてきました。
 そこで見出した答えが「分かりやすい・効果的・特徴的」であることなんですよね。この3つのうち、どれか1つでも欠けているとダメなんです。それはデザインだけではなく、プロダクトやコンテンツにおいても言えること。つまり「シンプルで、世の中の役に立ち、なおかつオリジナリティがある」ものは、大勢の人に注目されるんですよね。

草野:すべてのクリエイターにとって、参考になりそうな理論ですね。

落合陽一(以下、落合):一時期、テロップのデザインがコンピューターライクになったじゃないですか。でも今は60年代によく使われていたような、フラットデザインが多用されていると感じます。テレビで使うデザインには流行があるのかなと思ったのですが、意識的に行なっているのですか?

藤井:基本的にテレビ番組で使用するデザインは、番組のディレクターさんの意向によって変わります。

落合:では、世間の空気に合わせてディレクターさんが決めることが多いんですね。

藤井:そうですね。もちろんデザイナーとしていくつか案は出しますが、最終的に流行り物に寄っていく傾向はあると思います。MRを使うことも、その延長線上にあって。「流行り物のMRを使うことで、もっとテレビを分かりやすくすることができるのではないか」といった発想のもと、研究を重ねています。
 テレビって「大きさ」を伝えることを非常に苦手としているメディアなんですよ。ご家庭によってテレビの画面サイズも違いますから。しかしMRを使えば、人物や物体を実寸大で伝えることができるんです。さらに「360度どこからでも見れる」ことも可能になりますよね。だからMRの研究開発は、テレビを拡張するために行なっていることなんです。

齋藤精一(以下、齋藤):藤井さんの仰る「分かりやすい・効果的・特徴的」というのは、テレビならではの考えですね。たとえばSENSORSは、僕と落合君が話している専門的なことを視聴者に分かりやすく伝えてくれているじゃないですか。基本的にMRのような新しい技術って比較的ハイコンテクストなので、アート作品としてアウトプットされることが多いんです。
 だからこそ、テレビ業界の方が「分かりやすさ」を拡張するために最新技術に目を向けることには非常に意味があると思いますね。そうしていかなければ、メディアとして時代に取り残されてしまいます。博報堂さんのような広告代理店にとっても、テレビの進化は重要なことですよね。

須田和博(以下、須田):広告業界もテレビ業界も「ベタにすること」が得意なんですよね。だから、難しいテクノロジーを「ベタに」わかりやすくすることが、我々のやるべきことなのだ!と思っています。

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最終更新:4/2(火) 15:39
SENSORS

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