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日本に増える外国人、そしてその子どもたち。彼らの“拠り所”がいま、揺らいでいる。

4/2(火) 17:14配信

ハフポスト日本版

「すみません、道に迷ってしまったみたいで...」。

京成線・町屋駅から徒歩10分と聞いていた。余裕を持って約束の20分前には駅に着き歩き出したが、目標の建物が見つけられない。

「多文化共生センター東京」は荒川区にある。下町の風情が残った細い路地を進み、それらしき大きな建物を見つけたと思ったら、さらにその脇道へ入る。たどり着いたと思ったら、入り口が分からない。外階段を登った先に、ようやく教室があった。(高橋史弥/ハフポスト日本版)

2001年に設立されて以降、外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、日本語や学校で習う科目の学習支援にあたってきたNPO法人だ。多いのは15~20歳で、中国人を中心に、ネパールやベトナム人ら50人余りが通っている。

彼らの多くは来日する前に義務教育を終えてきている。そのため日本の中学校には通えない。かといって高校を受験できる日本語力も学力もない。

こうした子どもたちは「学齢超過生」と呼ばれる。日本でどのように勉強し、就職していいか分からない。そんな子どもたちが口コミを頼りに教室へ辿り着くという。

「日本語が十分でないまま育っていけば、社会の中で必要とする情報を自分で探せないうえ、将来の選択肢も非常に狭くなってしまう」と代表理事の枦木(はぜき)典子さんは話す。

都内に外国人が増えるにつれ、助けを求めて教室を訪ねる子どもの数も多くなっていった。数十人に授業を行えるスペースがないか荒川区に相談したところ、廃校の一角を提供されたが、いずれも数年で退去を迫られ転々としてきた。

2018年には区の教育センターが入っていた今の施設にたどり着いた。しかし、日本人の記者も迷ってしまった立地だ。助けを求めてやってくる外国人には見つけにくく、周辺で1時間以上迷っていたケースもある。その場所も、近く解体されることが決まっている。

枦木さんは「荒川区には感謝していますが、やはり場所を転々とせざるを得ないことがある。教育の場は、安定してあり続けることが非常に大事な条件」と訴える。

運営面も綱渡りだ。一時は国の補助金を得ることができたが、2014年までで期限切れ。授業料も払ってもらっているが、寄付金や新たな助成金がなければ続けられない。

国の調査によると、日本語指導が必要な外国人児童の数は平成28年時点で3万4335人と右肩上がり。今後も増える見込みだが、その子どもたちの日本語教育を支援するNPOなどは自主的な運営が求められている。

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最終更新:4/2(火) 17:44
ハフポスト日本版

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