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見納め間近? 昭和から平成を駆けた最後の国鉄特急形電車「185系」その団体列車に乗る

4/4(木) 6:04配信

乗りものニュース

懐かしい案内文字の書体やモーター音

 2019年4月1日(月)から、静岡県とJRグループ旅客6社による大型観光キャンペーン「静岡デスティネーションキャンペーン(静岡DC)」が始まりました。

【写真】懐かしさ満載! 185系の車内外

 これに先立つ3月31日(日)、JR東日本とJR東海の2社は、静岡DC開催を記念したツアー客向けの団体列車「静岡DCオープニング号」を、東海道本線の東京~静岡間と名古屋~静岡間で運転。このうち東京発の列車は、国鉄時代から走り続ける185系特急形電車の6両編成が使われました。

 記者(草町義和:鉄道ライター)は熱海駅(静岡県熱海市)から静岡駅(静岡市)まで「静岡DCオープニング号」に乗車。車内に入ると“懐かしさ”を覚えました。たとえば、ゴミ箱に記された「くずもの入れ たばこのすいがらは入れないでください」などの文字。これには国鉄時代に制定された書体が使われています。客室の座席などはリニューアルされていますが、洗面台など国鉄時代から使われ続けている設備も残っています。

 また、6両のうちモーターが搭載されている4両の床下からは、「グォーン」という大きなモーター音が聞こえてきます。最近の新型電車はモーターや制御装置の改良で音が小さくなりましたが、185系は人間がうなり声を上げながら全力疾走しているようで、どことなく“力強さ”を感じさせます。

 列車に乗っていた神奈川県平塚市在住の70代男性は「(この車両が国鉄時代にデビューしたことは)知ってますよ。古い電車だけど乗り心地は悪くないね」と話しました。

特急用だけど普通列車での使用も考慮

 185系は、40年近く前の1981(昭和56)年にデビュー。このころ、東京と伊豆方面は急行「伊豆」や特急「あまぎ」で結ばれていましたが、急行「伊豆」で使われていた電車は老朽化が激しく、車両の更新が課題になっていました。そこで、国鉄は急行「伊豆」と特急「あまぎ」を統合した特急「踊り子」の運転を計画。この「踊り子」用として開発されたのが、185系(0番台)でした。

 185系より前にデビューした国鉄の特急形電車は、クリームと赤の2色で塗装。これに対して185系は、白地に緑色のストライプを斜めに入れるという、従来とは全く異なるデザインで登場しました。また、ドアの幅を広くするなどして、特急列車だけでなく通勤客向けの普通列車としての使用も考慮されました。

 これにより、種別の異なるさまざまな列車での使用が実現し、運用の効率も向上。特急用と普通列車用の車両を分けて製造するより車両の数を少なくでき、製造費も節約できました。当時の国鉄は経営が極度に悪化しており、車両の製造数をできるだけ抑える必要があったのです。

 こうして1981(昭和56)年3月、普通列車や急行「伊豆」で暫定的に運用を開始。同年10月の特急「踊り子」運転開始にあわせ、本格的にデビューしました。

 その後、東京と関東北部を結ぶ特急列車や普通列車にも導入されることになり、寒さや雪に強い構造を採用した185系(200番台)が1982(昭和57)年にデビュー。車体の塗装は0番台と同じ白と緑でしたが、緑は斜めのストライプではなく、窓下を走る直線の細い帯でした。ちなみに、東北新幹線と上越新幹線が大宮駅より北の区間のみ暫定開業したときは、在来線の上野~大宮間を走る新幹線アクセス列車「新幹線リレー号」でも使われました。

 この5年後に国鉄は分割民営化されましたが、このあいだに国鉄は新型の特急電車を導入しておらず、185系が最後の国鉄特急形電車になりました。

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最終更新:4/4(木) 20:56
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