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「令和」の発表時、なぜ手話通訳は「めいわ」と訳したのか?

4/5(金) 18:34配信

BuzzFeed Japan

4月1日に新元号「令和」が発表された時、手話通訳士が「めいわ」と訳したことがネット上で話題となっている。手話通訳が行われたことを評価する声があがる一方で、政府側の対応改善を求める声もある。さらには時代の変化だ、と捉える人も。何が起きたのか。背景を取材した。【BuzzFeed Japan/籏智広太】

事前に伝えていなかった?

4月1日、午前11時41分。

「新しい元号は”れいわ”であります」と菅義偉官房長官が述べたときのこと。会見場で通訳をしていた手話通訳士が、指文字で「めいわ」と訳した。

リアルタイムでNHKの中継を見ていたというろう者の30代女性は、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。

「手話通訳者が『めいわ』と表現されていたので、明治の明が使われるのか、と思ったら漢字が『令和』となっていて、珍しい読み方だなと思いました。『れいわ』という文字が出てきて『私の見間違い?』『いや、めいわと表していたよね?』と、ろう者同士でざわつきました」

そもそも官邸の会見に手話通訳が導入されたのは、東日本大震災(2011年)のころから。その歴史はまだ、8年に過ぎない。

手話通訳士は、内閣広報室がこれまで同様、外部に依頼していたという。

同室の担当者は取材に対し、「聞き取れる範囲で訳したため」と説明する。

たしかに、菅長官の冒頭の発言が「めいわ」と聞こえる、という指摘はSNS上でも出ていた。

「元号発表のときに限らず、普段から常にどういう質問が記者からされるかわからない状況で通訳をされている。その時に出た発言を、その時に応じてできる限り通訳をしており、今回も通常同様の対応をしました」

政府側は手話通訳士に対し、事前に新元号を伝えてはいなかったということだ。

歴史に残る瞬間なのに…

こうした説明に、違和感を覚える人もいる。前出の女性は語る。

「あの場は歴史に残る瞬間。これからも永遠に語り継がれるシーンです。せめて、直前に手話通訳者に新元号を伝えるといった工夫はできなかったのでしょうか。私に周りにいるろう者たちも『誰でも平等にというのはわかるが、手話通訳には事前に伝えるべきだ』と手話通訳者に対して同情の声を寄せていました」

また、専門家からも、同様の指摘があがっている。

手話通訳士で愛知県立大教授の亀井伸孝さん(文化人類学)は「聞こえた音の通りに表現すればよいという方もいるかもしれませんが、現実的には困難です」と語る。

「国家の重要な秘密だから、事前の情報提供はできないだろうという意見もありますが、私はそれには懐疑的です。例えば、官房長官が掲げていた墨書の色紙がありますが、それを事前に書いたスタッフは、事前に情報提供を受けて作成したわけです」

「通訳者の側に事前の知識があってこそ、それを正確に再現できるのであって、今回のように、初めて耳にする造語を、リアルタイムでいきなり正確に表現せよというのは、通訳者に対する過大な要求というものです。適切な通訳環境を整えることは、情報を発信する官邸の責務です」

官邸はなぜ、通訳士に事前に元号を伝えなかったのだろうか。この点を問うBuzzFeed Newsの取材に対し、明確な答えは、なかった。

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最終更新:4/5(金) 21:22
BuzzFeed Japan

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