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ライドンの歪んだ叫びが脳を刺激するパブリック・イメージ・リミテッドの『セカンド・エディション』

4/5(金) 18:02配信

OKMusic

78年にセックス・ピストルズが空中分解し、メンバーのシド・ビシャスが亡くなった時点でパンクロックは一応の役目を終えた。“一応”というのは、パンクの精神はその後も生き続け、ハードコア、グランジ、オルタナティブなど、表面的にはさまざまな形態に変異しながらも、その精神はしっかり引き継がれているからだ。ジョン・ライドン(元ジョニー・ロットン)はピストルズを抜けた後、ジャマイカに行き新しいグループの構想を練った。そして、イギリスに戻って結成したのがパブリック・イメージ・リミテッド(以下、P.I.L)である。今回取り上げる『セカンド・エディション』は彼らの2ndアルバムで、当初は『メタルボックス』というタイトルでリリースされた。ダブ(DUB)を取り入れた硬質のファンクサウンドに乗ってライドンの歪んだ叫びが響く様は、まさに異形という言葉が相応しい唯一無二のサウンドである。

パンクロックの終焉とニューウェイブの台頭

シド・ビシャスが死んでしまってからパンクロックは急速に下火になった。この構図は浅間山荘事件とそれによって発覚した集団リンチ致死事件以降、学生運動が急速に失速していった雰囲気と非常に似ている。ピストルズにしても学生運動にしても、シンパシーを感じていたにもかかわらず、思っていたよりも幼稚な仕組みだったんだなと、多くの人があきれてしまったのである。パンクの本質がどうであれ、時代の空気は一気に変わり、イギリスの若者たちはパンクに代わる新たな音楽(刺激)を探し始める。

もちろん、80年代に入ってもクラッシュやストラングラーズらパンクロックのアーティストたちは活動し続けていたが、大手レーベルに所属するビッグな存在になってしまっていた。社会的認知度が高く、金銭的にも恵まれ、スタジアムでコンサートをするパンクロッカーなど、本末転倒であるとは言えないか。成功を収めた大物パンクロッカーに代わって、ハードコアパンクやスラッシュメタル系のインディーズグループが登場してくるわけだが、その辺についてはまた別の機会に述べたいと思う。

ピストルズ解散後、急速に台頭してきたのはエルヴィス・コステロ、ポリスらに代表されるニューウェイブと呼ばれる勢力で、パンクの香りを漂わせながらもしっかりした演奏技術を持ち、ソングライティングの面でも職人技を駆使するなど、彼らは瞬く間に若者たちを虜にする。ひと口にニューウェイブといっても、実際には多種多様な音楽があるのだが、ニューウェイブ系のアーティストを多く抱えるインディーズレーベルからリリースされれば、それらは全てニューウェイブだと当時のリスナーは捉えていたと記憶している。

パンクロック隆盛のおかげで、大手レーベルと絶対に契約できない演奏技術や表現力の拙いアーティストたちは、各地にできたインディーズと契約し、上手くいけば売れることが可能となった。レーベル側もそれぞれの個性を売りにしてカラーに合ったアーティストを売り出すという、これまでになかった形態のシステムができつつあったのだ。これがパンクロック革命の大きな成果のひとつだ。ファクトリー、ラフ・トレード、チェリーレッド、スティッフなど、多様なインディーズレーベルが設立され、ポストパンク時代がスタートする。

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最終更新:4/6(土) 18:27
OKMusic

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