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ふくしまの技また偉業 はやぶさ2「衝突装置」開発

4/6(土) 9:20配信

福島民報

 探査機はやぶさ2が小惑星に金属弾を撃ち込む世界初の実験に成功した五日、「衝突装置」の開発に携わった県内企業の関係者は「福島の企業が力を合わせ、偉業達成に貢献できた」と喜んだ。装置は無事作動し、成功を祈り続けた担当者の思いが通じた。はやぶさ2が二月二十二日に小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したプロジェクトに続き、福島県企業の技術が再び活躍した。

 装置全体は西郷村の日本工機白河製造所が製造を担当した。中核部分の爆薬が詰まったステンレス容器を同社から委託されて作ったのが、鏡石町の石川製作所と子会社の精密部品製造加工業「タマテック」だった。

 日本工機白河製造所は装置に爆薬を封入する作業も担当した。銅板が先に溶接されているため、直径約二センチの先端部から爆薬を流し込む必要があった。詰め方が偏ると、弾がうまく発射されないため、コンピューター上のシミュレーションと発射実験を繰り返し、精度を高めた。

 開発を始めた直後に東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が発生し、操業を一時停止した。それでも、装置の開発は継続させただけに感激もひとしおだった。所長の寺島実さん(60)は「福島生まれの装置が世界初のミッションに参画し、役割を果たせたことを誇りに思う。復興に取り組む県民の励みになればいい」と語った。

 タマテックは当初、アルミ製容器と銅板をねじ留めする設計で試作していた。手法を溶接式に変更した上、容器をステンレス製に変えるなど試行錯誤を繰り返した。重量制限が決まっている中、ステンレスを一ミリの薄さまで削るなど持てる技術を注ぎ込み、納期に間に合わせた。

 副社長の吉田武さん(55)は石川製作所営業推進役の須藤儀一さん(71)らと共にインターネット中継で見守った。はやぶさ2が衝突装置を分離した際に撮影した写真が公表されると、笑顔で拍手した。吉田さんは「夢のある仕事に関わることができて光栄だし、誇りだ」と胸を張った。

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最終更新:4/6(土) 9:20
福島民報

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